大した話じゃないけど、ふと思い出したので投下。
俺が小学校低学年ぐらいの頃、10月の頭ぐらいだったかな。
父親の友人達と家族ぐるみでキャンプ行った時の話。
森の中で簡易的なテントを張って、みんなでバーベキューしてたんだ。
肉焼くのとかは全部大人たちがやってるから、特に腹がすいてるわけでもなかった俺は隅っこで暇してた。
そんな俺を見兼ねてか、父の友人に「フジさん」って人がいるんだけど、そのフジさんのお兄さん(フジさんではない)が気遣って「あっちに遊具あったけど遊びに行く?」って言ってくれた。
やることもなかったから二つ返事で了解して、100~200mぐらい?(小っちゃかったからここは記憶が曖昧、テントやらが余裕で見えなくなるぐらいの距離) 離れた公園まで連れて行ってもらった。
公園って言っても森の中だから、切り株とか丸太再利用した遊具があるだけなんだけど。
それでも俺は十分楽しくて、丸太に飛び移ったりしてて遊んでた。
他の子どももいなくて、そんなに数があったわけじゃないけど、でかい遊具を独り占めできることにテンション上がったのを覚えている。
フジさんのお兄さんはというと、そのへんのベンチ座って、遊んでる俺が怪我しないか見てくれていた。
しばらくすると、フジさんのお兄さんは「トイレ行ってくるからここにいてね」って言って、向こうの方にある公衆トイレに入った。
オシャレなログハウスっぽい奴じゃなくて、カビ臭くて壁のタイルが黒ずんでるようなトイレ。
2分経たないくらいかな、テントの方から「いたー!!」って叫び声が聞こえた。
反射的にそっちを向けば、フジさんがこっちに駆け寄ってくるのが見えた。
「探したんだよ! も〜、俺くん勝手にいなくなるからみんな心配してたよ」って言って俺の手を引くから、俺は焦って
・フジさんのお兄さんに連れてきてもらったこと
・今トイレに入ってるから一声かけなきゃいけないこと
を端的に話した。
目視できる距離だけどトイレからある程度離れてるし、「ここにいてね」って言われたから、何の断りもなく動いたらマズいかと思ったんだ。
そしたらフジさんは急に真面目な顔になって、「本当に僕のお兄さん?」って聞いてきた。
「(親父の兄)じゃなくて?」
「うん」
「(もう一人の友人)でもなかった?」
「うん、絶対フジさんのお兄さん」
こんな問答が十秒ちょっと続いた後、フジさんは何も言わずに俺を抱えて、小走りでテントまで戻った。
「えっ結局置いてくのかよ」と思ったけど、なんか険しい顔で怒ってそうだから口を出すこともできず、俺は大人しくテントまで強制送還された。
あとで知ったんだが、フジさんは一人っ子らしい。
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