当時祖父祖母父母兄私妹の7人家族だった。
戦時中の物資が少ない時期に建てた一戸建てで、今は蔵として使われている防空壕の名残みたいなのがあるんだけど、部屋数がそこまで多いわけじゃない。
仏間兼祖父祖母の部屋、父母、私と妹は同じ部屋、兄は1人部屋とリビング、キッチン、後付けされた風呂、トイレ2つ、洗面台みたいな感じだった。
祖父母の部屋とリビングとか水場は1階
急な階段を昇って両親と私と妹の部屋、兄の部屋と和式トイレが2階にあった。
ちなみに2階の部屋は全て上の一部がすりガラスで部屋の前を誰かが通るとわかる様になっている引き戸。
2階の配置は階段を登って両親の部屋、私と妹の部屋、兄の部屋、各部屋の前に大きな押し入れが二つあって廊下の突き当たりにトイレ
これが前提です。
ここからが本題
うちは兄は6歳上、妹は3歳下とちょっと歳の差がある兄妹で、私が中学に上がった年、兄が大学進学と同時に家を出た。
兄の部屋を使って良いと言われたから兄の部屋が私の部屋になった。
1人部屋を持てたことが嬉しくて部屋の壁(砂壁だった)を大きな布を貼って隠したり、祖父母に甘えてかわいい家具や雑貨を買ったりしてどんどん自分の部屋を作っていった。
元々好きだったぬいぐるみとかミニフィギュアみたいな人形とかも棚に飾っていたんだけど、学校から帰ったら床に落ちてるなんてことがたまにあった。
落ちていたのはガラスでできたものとかは被害に遭わず、分厚いアクリル製の飾りとか布製のぬいぐるみとかそういう痛むかもしれないけど壊れたりはしないもの。
私は妹が遊んでたのかなと思って特に気にしなかった。
元々同じ部屋で過ごしていたし仲は良いから。
中学2年くらいになった時、急に恋に目覚めてプチプラの化粧品とか集める様になったんだけど、それ以降化粧品が床に落ちてることも増えてきた。
流石にちょっとイラっとして妹に聞いてもそんなことしてない!としか言わない。
モヤモヤしたけど妹が嘘をついているんだと思い込んでたから、結構強く言ったと思う。
その後は同じようにぬいぐるみとか雑誌が落ちてることはあったけど、化粧品が被害に遭わなかったから諦めて普通に過ごしていた。
ある時、テスト前に夜中まで勉強をしていたり、寝ようかなって思った時に時々部屋の前を白い影がスッと通っていく事に気付いた。
誰かがトイレにでも行ってるのかなって特に気にしてなかった。
気にしてなかったけどなんとなくのれんみたいな目隠しのカーテンをかけた。
夜中まで起きてたから多分テスト勉強か受験勉強かしてたんだと思うんだけど、エアコンかけてたから夏かな。
扉がスッと開く音と
「お姉ちゃん」
っていう声がした。
妹だと思っていたから
「なあに?」
って顔を上げたら扉は閉まっていたけど扉にかけた目隠しのカーテンだけが揺れていた。
怖かったけど妹が来たんだろうと思い込んでそのまますぐ眠った。
翌朝、妹に聞いてみようと思ったけど、妹は数日前から学校の行事で家にいなかった。
その後も床に物が落ちている事やなんか寒気を感じるのは日常茶飯事だったし、寝ている足元で見知らぬ男の人数人が座り込んで話してるなんてこともあった。
私はもう家を出てるんだけど、兄と帰省が被った時は部屋の押し付け合いをしてるから多分兄も似たような経験をしていたんだと思う。
ちなみに祖父が他界した後、キッチンから仏間に向かう祖父の足元を母と妹、私が見たなんてこともあったよ。
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