大阪北部にあるわりと有名な滝に夜中に行った
山奥の緩いカーブの途中にある駐車場に車を停めて、100メートル程歩いた先に滝へ降りる階段がある
友人達5人と伸びた草や木の枝を避けながら階段を降りていく途中で、後ろから改造車の排気音が近づいて来るのが分かった
この山は夜中になると、いわゆる「走り屋」達の集まる場所だ
最後尾から階段を降りてた自分は、ふいにイタズラしてやろうと思い立って引き返した
ガードレールと生い茂った草に邪魔されて、夜間に車の中からではどこが階段の降り口なのかは判らないだろう
自分は路面とほぼ同じ高さから顔だけが出るように身体の位置を調節して、ガードレールのすぐ脇の草の間から顔だけを出しながら、近づいて来る走り屋を待った
すぐに駐車場前のカーブをかなりのスピードで近づいて来るヘッドライトの明かりが見えた
いつでもガードレールに隠れられるように準備しながら、よくある心霊写真のようなイメージでそれらしい表情を作ってみた
眩しくて目を閉じそうになるのを必死で堪えていると、走り屋が目の前を通過した直後にフルブレーキングして停車した
きっとドライバーは自分の顔に気が付いて愕いたに違いないと、一人で悦に入りながら先に降りていった友達の後を追いかけた
20分程して駐車場に戻ると、さっきの走り屋のシビックが自分たちの車の近くに駐車してた
地面に座り込みながら話してるシビックの2人の会話が聞こえてくる
自分達も自販機で買ったコーヒーを飲みながら話してたんだが、シビックの2人の会話が気になって仕方がない自分は、笑いを堪えながらこっそり聞き耳を立ててた
2人の会話はおおよそこんな内容だった
「ガードレールの下に顔があった」「10人以上いてた」「赤い奴が気持ち悪かった」
あそこは有名やで…
ワシのツレもあそこで車で死んだ。
30.年以上前の話…。
本当に運転上手い奴だったのに…今だに信じられん。
嘘みたいな単純事故で連れてかれた感しか今だにない。
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