昔近所に住んでたお婆さんから聞いた話。
お婆さんの故郷は、海と山の間に、へばりつくように家と畑がある地域で、殆どの人が漁と農業の両方で生計を立てていた。その集落ではあの世は海の底にある。といわれていたそうだ
村があって、船で漕いでいける範囲の海が人間の領域。村の神様が護ってくれる範囲。その外は又違う神様が護っている。境界のずっと沖の海の底にあの世がある
海の底のあの世にはこの世のような村があって、死んだ人の魂はそこで生活している
そして、年に一度、お盆の時期に死者は村に帰ってくる。遠いので、あの世にいる神様が送ってきてくれるそうだ。
死者は村に帰ってきて色々見て回ったり、子孫の家でご馳走を食べたりする
帰る日の夜には死者の魂は浜に集まって、迎えの船に乗る
船で迎えに来た神様は、集落を歩き回って、帰りたくないと駄駄をこねたり、この世に迷っている亡者も一緒に船に乗せて帰っていく
集落ではその日は、日が暮れる前には戸を閉めて、夜も外に出ないことになってたそうだ
というのは、迎えの神様には死者も生者も同じように見えるから
それで外に出てたら、間違って連れて行かれるんだとか
外をのぞき見て目が合ってもいけないので、外を覗くのも厳禁
泣くのもいけない。駄駄をこねて泣いてる亡者と間違われちゃいけないから
泣いちゃうような赤ん坊なんかは、真ん中の部屋に置いて、その周りは子供や大人が囲んで外に鳴き声が漏れないようにしていた
だからその日は親戚の家に集まって、ご馳走持ち寄って飲み食いして陽気に過ごす日でもあったそうだ
次の日は寝坊して良い日で、日が完全にでてから外に出てたそうだ
揚げ足とりになるけど、この世に迷っている家の中の亡者は置いていかれるってこと?
>>218
子供の時に聞いたんでどういうのか良く判らないけど、
祖先の霊なんかは家には入れるけど、亡者は他人の家には入れないとか言ってた
祖先も帰る日が決まってるので日が暮れると家の外には出るらしい
通りでぐずぐずして浜に行かない祖先の霊は、神様が迎えに来て連れて行くんだとか
迷子だって、親が迎えに来るからそれと一緒だと言ってた
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