もう数年前になるし、新聞にすら載らなかったので書く。
当時、自分は大学生で生活にも慣れてきたので近所のコンビニでバイトをしていた。
夕勤で入ったはずだったが気付けば夜勤、シフトが同じマネージャーはバックヤードでマンガ読んでるから実質ワンオペだった。
進学前に通っていた高校がバイト禁止で、バレたら最悪退学とちょっとお堅いところだったからバイトの経験もなくこれが当たり前かと思っていた。
そんなこんなでバイトにも慣れ、いつものように業務をこなしていたら1時に差し掛かったくらい、客も全く来なくなったころに厨房というには少し大人びている、今年高校生になりましたみたいな雰囲気の奴が入店してきた。
(おいおい、こんな時間に出歩いてると補導されるぞ)
とか思いつつそいつを見てたら明らかに挙動不審。
商品を見るでもなく、入り口とレジをちらちらと伺ってるの。
まあそんなのを気にしてられないからタバコの補充を始めた。
補充をはじめて1分もしなかったと思う。
「あの…」
と背後から声を掛けられた。
振り返ってビビった。
そいつ包丁持ってるの。
でも刃渡り30cmとかデカいものじゃない、せいぜい刃渡り15cmくらいのニ〇リとかで売ってる柄まで銀のやつ。
「か、金を出してください!」
震える声で言ってくる。
それもお願い口調で。
普通なら動揺するだろうけど、大学に慣れてきて調子づいてたってのと強盗というあり得ないシチュだからか自然と冷静になれた。
自分「集金したからお金はほとんど入ってませんよ」
強盗「出してください」
自分「集金したからありませんって」
強盗「出してください」
みたいな押し問答。
さすがのマネージャーも異変に気付いて、モップの柄を持って強盗の背後に静かに近づいてきていたから時間を稼ぐつもりで粘ってた。
その後はもうあっという間、モップで手から包丁を叩き落としてカウンターに押さえつけ通報。
警察が来るまで強盗はずっと泣いてた。
幸い交番が近いからそう時間はかからず警察が来て、さすがというべきか強盗を見て察したのか
「さあ、行こうか」
と慣れた手つきで手錠をはめ連れて行った。
後は軽く調書を取られて終了。
特に面白い展開がなくて申し訳ない。
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