会社を辞めて何をするでもなく家でダラダラと過ごして2ヶ月ほど経ったときのこと、ラジオを付けてチューナーのつまみを回しているうちに抑揚のない男性の話し声が流れる周波数を見つけた。
殆ど聞き取れないがラジオのアンテナの向きを変えると僅かに雑音が減る、がしかし何を言ってるかは聞き取れない。
日本語ではないかもしれない。
次の日。散歩がてら音が鮮明に入るアンテナの向きに歩いて行ってみる。
たまに鮮明に音が拾えることがあり、それが妙に愉快でどんどん歩いて山を登って行った。
なんだか夢中になって数時間は歩いたところではっきりと男性の声が聞き取れるところまで辿りついた。
地面にボロきれが散乱していたがふと見ると財布が落ちていた。
中にお金やクレジットカード。
だいぶ日が陰って来たなとおもむろに上を見上げると2メートルほど上に木の枝に挟まった頭蓋骨。
その真下をよく見るとボロきれの下にも大きな白骨があった。
ラジオからは抑揚のない男性の話す声が鮮明に聞こえてる。
何を言っているのかはわからない。
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