私が4歳の時に叔母(父の妹)の結婚式に出た
私の父と母は招待客の対応で忙しいので私は祖父(父の父)と一緒に行動することになった
今考えれば結婚式で新婦の父が孫の子守をするなんて不思議な話だけど後に確認したらここは事実だった
というのも当時やんちゃだった私が祖父の前では比較的おとなしかったのでそういう配役になったらしい
当時の私も隣県に住む祖父に久しぶりに会って成長をほめてもらえるのが楽しみで
結婚式の日はわがまま言わずにお利口にしていようと心に決めていた
結婚式では祖父の隣に座って参加してそれが終わると祖父と手を繋いで披露宴会場に移動したのを今もはっきり覚えている
披露宴の途中で一度お色直しがあって花嫁である叔母はお婿さんと一緒に一度退場した
それから余興があって大人のお兄さんお姉さん達が歌を歌っていたが幼児の自分にとっては知らない歌ばかりで少し退屈してきた
叔母ちゃんは今何してるのかな?早く戻ってこないかな?と思ってふと高砂を見るとそこには
青いドレスを着た20代くらいの知らない女性が座っていた
どうして?あの席はお嫁さんの席だから行っちゃだめって言われていたのに?
頭の中が疑問符だらけになって隣の祖父に小声で聞いた
「おじいちゃんあの女の人誰?叔母ちゃんじゃないよね」
「あれは神様だよ」
そう言って祖父は高砂の方に向かって手を合わせた
「神様?」
「そう神様」
「なんでお嫁さんの席にいるの?」
「神様だからだよ」
「叔母ちゃん帰ってきたら困らない?」
「大丈夫だよ神様だから」
「へーそうなんだ」
終始こんな感じで神様だからとしか言わなかった
そうしているうちにお色直しが終わって叔母とお婿さんが戻ってきた
スポットライトに照らされた叔母はオレンジのドレスがよく似合っていた
鳴り響く拍手の中ちらりと高砂を見ると青ドレスの女性はいなくなっていた
披露宴が終わると隣県に帰る祖父にお別れの挨拶をしてから両親と車に乗り込んだ
帰る車の中で両親にも青ドレスの女性を見なかったかと聞いたが「そんな人見ていない」と言われてそのまま記憶から消えていた
思い出したのは披露宴から約十年経って祖父が他界した時
葬儀で棺に入れるものを吟味するため祖父の部屋を親族で探すことになって当時中学生だった私も手伝った
すると机の引き出しから風呂敷包が出てきた
何重にも丁寧に包まれた風呂敷を解いていくと中から若い女性の遺影が出てきた
不可解なことにこの遺影の女性は父に聞いても叔母に聞いても心当たりがないという
しかし一番不可解なのはその遺影の人が叔母の披露宴で「神様」と呼ばれていた青ドレスの女性にそっくりだということ
気になって「この人叔母さんの結婚式で見なかった?」と親戚中に聞いたがことごとく「気のせいだろう」と笑い飛ばされてしまった
それもそのはずで遺影の裏に記された女性の命日は昭和50年代
平成生まれの私と出会えるわけがない
結局遺影の女性が何者だったのかは分からずじまいだった
親戚の間では遺影の人物は祖父の愛人か元恋人ではないか?なんて面白半分に噂こそされていたものの
それでも遺影を無碍に扱うことに抵抗があったのか近所のお寺へ持っていって供養してもらったらしい
遺影を見たとき私は怖いというよりも不思議と懐かしさや親しみさえ感じた
何より亡き祖父が「神様」と呼んで手を合わせていた姿が忘れられない
彼女が「神様」だということを裏付ける根拠はないし現時点では特にご利益も祟りもないけれど
それでも不可解な経験には変わりはないし思い出すたびに不思議な気持ちになる
不思議ですね。
>>549の家庭の血縁関係複雑そう
>>549は実は祖父の愛人(青ドレスと遺影の女性)の孫か何かで理由あって祖父の息子(>>549父)の養子になったとか
叔母は放蕩な実父(>>549祖父)とバージンロード歩くのを嫌がったとか
んなわけないか
>>551
それこそ本当に「墓場まで持っていく話…」だな。
>>551
孫がやんちゃ過ぎて新婦父が子守役せざるを得ないというのは飽くまで建前かもね
本当は「神様」に不用意に近付かせないようにするためだったりして
もし「神様」が生きた人間だったとしても最適解は無闇に触らないことだろうし
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