すごく秀才の同級生がいた。
小学生の時は授業がつまらんとサボって図書室に籠もり、大人顔負けの歴史や科学などの色んな雑学や教養を身につけていた。
中学は授業を一回聞けば全て記憶し、テストはノー勉でいつもほぼ満点。
プライベートは図書館通いで好きな学術書を読んでいた。
なおかつコミュ力も高くプレゼンや演説の大名人で、圧倒的最多得票で生徒会長にも任命され、卒業式は答辞を読んで拍手喝采。
地元で一番の進学校に優秀な成績で入学した。
絵に書いたような優等生だが、35歳になって久しぶりに会ってその後を聞いて愕然とした。
高校で躁鬱病を患ったのが原因でいじめにあい、退学。
しばらくプータローした後ほぼノー勉でとりあえず国立の教育大に進学。
そこでまた抜群の演説力を活かし学生団体の幹部になり、成績も優秀で一流企業に就職。
そこで出世頭になるが頑張りすぎてまた鬱になる。
さらにアルコール依存になり、5年ほど単発の仕事以外でまともに働けず廃人状態に。
最近、その教養深さを評価されてやっと学習塾に就職したけど、給料聞いたら年収350万くらいらしい。
無職期間長いから貯金もほぼ無し。
金はないけど知識はいくらでも貯められると語る彼の部屋には大量の本と、図書館で借りた本のコピーが山積みになり、ワインボトルがたくさん転がっていた。
乱雑に散らばる紙には、たくさん図形や公式が書かれていた。
落ちぶれた惨めなその後を晒したくないから同窓会には参加しないらしい。
抜群に賢こすぎるせいで世の中に馴染めないってこともあるのかと衝撃だった。
私は普通でよかったわ。
顔はハンサムなんだけど家では全裸、外出は着物という変人。
やっぱ、普通が一番なのかな。
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