小学生のころアイという中年のオジサンがいた
アイは少しばかり脳みそが可哀そうな人みたいで
いつもママチャリにまたがり
「あいっ!」
と叫んでは
小学生の男の子に抱きつく人だった
彼が標的にしているのは低学年の子ばかりで
高学年になると狙われなくなった
女の子は狙わないのか尋ねると
「警察に捕まるから」
と結構狡猾な部分もみえた
男の子でも大問題なのだが、まだ昭和のころは大らかで
少し困ったオジサンくらいにみんなが見ていたんだと思う
そんな折、川遊びをしていた男の子が溺れそうになった
それを見ていたアイはすぐさま、
「大丈夫だ!」
と飛び込んだ
だが、水底はそれほど深くはなかったみたいで
頭をうちつけた彼はそのまま下流に流されていった
溺れかけていた子はそのまま普通に自力で岸に上がることができた
それ以来、アイを見かけることはなくなった
>>450
うちにもいたなそういう変なおじさん。
片方は、豪族の埋蔵金を探そうとしていた自称トレジャーハンターのおじさん。
聞けば早稲田出身とか言ってたけど多分嘘。
そしてもう片方は、山とか森をフラフラ酒飲んで歩いてるトトロのおじさん。
どっちも実家住まいで、トレジャーのおじさんは実家がかなりの資産家のようだった。
トトロのおっさんはおそらく両親の年金頼みだったのではないかと思う。
トトロのおっさんはその名のとおり、宮崎アニメが大好きでトトロを探しているのだとか。
とは言っても、登下校中の女子小学生をおかしな目で見るので、アレには近寄ってはいけないと親から注意されているようだった。
トレジャーのおじさんは、図書館とか地方の資料館に足を運んではそれらしいことをしている風だった。
ある時、飯を食いながら親父にあの人の方はまともそうだと話したら、
「ユンボ(パワーショベル)を免許も無しに、赤の他人の山で使いたいからただで貸せと言ってくる脳足りんがまともか?アレと比べるとまだトトロの方がマシだわ」
と一蹴された。
まあどっちも俺が二十歳になる前には酒か何かで死んだようだった。
ある意味、幸せな人生だったと思う。
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