登場人物
兄、弟、父母、僧①、僧②
祖母が亡くなってお通夜の夜、兄と二人で車で帰宅した。
車庫に車を入れて降りた時に、弟が
「なんかさっきから車の後ろをついてきてる」
と。
兄は
「気のせいか野良犬じゃないか?」
と言ったが弟の顔は蒼白として怯えてる。
翌日の葬儀にも弟は
「恐いから行けない、外に出られない」
と言って家から出なかった。
葬儀を終えて父母と兄が家に帰ると弟はケロッとして居間に居たそうだ。
そして更に一週間後、再度弟は怯えたように、家に入ってくる!と言ってネットで調べた御札を書いて部屋に貼り始めた。
もちろん仕事にも出られず病欠ということにして休んでいたんだけど、御札は日を追うごとに段々増えていき、
父母はおかしくなったんじゃないかと、菩提寺の副住職(僧①)に相談。
僧①はとりあえず、この御札を持っていって玄関の内側に貼るように言って帰したが、どうも不安があって同期の僧②に相談。
僧②「おや珍しい、本気の憑き物だね。恨みが呼んだ四つ足の物みたいだよ」
僧①「御札いっぱい書いてはってるんだって」
僧②「その御札、だめだよ。間違えてて寄り付くから、お前行ってすぐに全部剥がしてお浄めのお勤めして持って帰ってきて。その弟さんにはお加持して」
となってがなかなか時間が出来ずに2週間経ち…。僧②に連絡があったそうだ。
僧①「この前の話あったじゃない?」
僧②「うん。剥がしてお勤めしてきた?」
僧①「いや、なかなか行けなくてさ。そしたらそこのうちの兄から連絡きたんだよ」
僧②「どうしたの?」
僧①「兄が言うには、その日は弟が随分穏やかで、居間で笑いながら窓の外見て、兄はタバコ吸いながら二人で話ししてたんだって。普通の家族の会話みたいなの。
そしたら、ふと弟の笑い声止まったなって思ったら、サッシの窓ガラス割れるくらいの強さで頭つっこんだんだって」
僧②「え…寒冷地仕様の窓ガラスでしょ?そんな近距離で?」
僧①「うん。窓割れたって。病院運んだけど亡くなったって」
どうにも不安があった兄が後日僧①に相談。
僧②が占いで方角と物があると出たので探すことに。
そこの家には裏手に雑木林があって小さな祠に祀られた何かがあったそうで、そこに呪物(血の塗ってある布に人名=そこの家の人の名前)が落ちてたと。
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