微妙にグ*注意。小学生の頃の話。
おやつに茹でた栗を食べるのが大好きだった。
いつもは祖母が皮付きのものを半分に切ってくれて、それをスプーンですくい出して食べていたんだけど、その日はいつもの量じゃ不満で、もっと食べようと思ってしまった。
これが運の尽き。
家庭科で包丁の使い方を習ったからと、自分で栗を切ろうとした。
もちろんあの堅い皮が簡単に切れる訳は無い。
祖母に頼るのが嫌で、必死に体重をかけて踏ん張る私。 そうしたら勢い余って、栗と一緒に左手の薬指もザクっとやってしまった。
小さい栗を押さえるのに変な押さえ方をしてたうえ、かなりの力がかかっていたため、指の腹の膨らんだ部分を切り落としかけて
いた。
傷からは肉が見えそうになっていた。
出血は止まるわけがない。
最初は感じなかった痛みも、時間が経つに連れて増して行く。
パニックを起こして泣き叫ぶ私。
台所から駆けつけ、予想を超えた傷に慌てる祖母。家には二人だけ。
どんどん広がる血。
幸い、最高のタイミングで叔父が帰ってきて、惨状を見て慌てて病院に連れて行ってくれた。
昔から私をみていたかかりつけのお医者様は、今回は切り傷かー、と笑い飛ばすつもりだったらしいが、予想以上の傷の深さ、そしてそのアホらしい原因に驚きを通りこして呆れていた。
包帯でぐるぐる巻にされた私の指は、傷口が自然にくっつくのを待つことになった。
ここまでが第一の修羅場。
両親が帰宅してことの顛末を知り、祖母共々こってり絞られた上に、しばらく包丁及び大好物の栗に近づくことを禁止されたのが第二の修羅場。
ピアノの試験が近づいていたのに左手が使えなくなってしまい、先生にも叱られたのが第三の修羅場。
原因を話したらものすごい笑われたけど。
幸い指に障害は残らなかったんだけど、今でも自然にくっついた指は不思議な形をしている。
あの時食い意地を張らず、素直に我慢していればこうはならなかったのになー、と今でも後悔してる。
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