学生の時、電車の中で立っていたら急に立ちくらみがした
とっさにポールを掴んだら前に座っていたおじいさんが席を譲ってくれた
苦しかったのでご好意をありがたく受けて座ろうとしたら、近くでずっと「座りたい」とごねていたお子様に押されてよろけた拍子に座られてしまった
母親は
「あらあら、座れてよかったわね」
とうふふ、と笑うばかり
するとおじいさんは低い声でお子様に
「立ちなさい」
と言った
お子様が
「疲れてるからやだ」
と言うと
「立つんだ!」
と一喝
「何ですか!大きな声で!」
と怒る母親に
「お子さんは男の子。でしたら女性に優しくするのは当然のはず。
貴女もそうしつけなければいけないでしょう。
私はこちらのお嬢さんに席を譲ったのであって貴女のお子さんには譲ってない!」
静かに言うと子供を立たせて私を座らせた
それを見て母親は顔を真っ赤にするとお子様を抱えて別車両に行ってしまった
見るからに弱々しげでむしろ私が席を譲るべき感じの人だっただけに、その力強い声にはっとした
何だか亡くなった祖父を見ているようで少し泣いてしまった
スーッとはしないかもしれないけれど、パニック障/害で本当にタヒぬかと思うほど苦しかったので座らせてもらえて本当によかった
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