ついさっき起きた話を聞いて欲しい。
普段5chはまとめしか見ないし、書き込みも初めてだから、場所が違ったりしたらすまん。
はっきりと時間は覚えてないけどたぶん2時ごろの出来事。
俺は専門学生で、今一人暮らしをしてる。
住んでる部屋がアパート一階角部屋のワンルームなんだけど、部屋には南向きの窓と、東向きの台形の出窓がある。
この東向きの出窓なんだけど、アパートの駐輪場に面していて、朝や夕方には住人が自転車や原付を出し入れしにくる。
この駐輪場を使う人や、道路を行き交う人達から部屋が丸見えになってしまうから、大家がプラスチックの板みたいなものを取り付けてくれてるんだよ。
そのおかげで大方目線は遮られているんだけど、大家が後から付け足した物だから、板のサイズが合ってないというか、窓よりやや小さいプラ板だから完全には覆ってなくて隙間が空いてる。
本当はカーテンをかけたりすればいいんだけど、大きな隙間じゃないし、見られても別にいいかという気持ちと、カーテンを買いに行って取り付けるめんどうくささから、ずっと放って置いてたんだよね。
カーテンをつけない自分が悪いんだけど、以前から時折この出窓がすごく不気味に感じる時があった。
布団は出窓とは真逆の壁際に置いてるんだけど、眠りにつこうと目を閉じると、出窓の方から見られているような気配を感じたり、深夜、誰も駐輪場を使わないような時間に人がいるような物音がするようなこともあった。
ただ、今までは
「そんな気がするなぁ」
程度の気持ちで、眠って朝になれば忘れてしまうようなものだった。
だけど今さっき。
いつものように、眠りにつこうと電気を消して、布団で目を瞑っていた。
今日は特に強い気配を感じて、胸がざわざわするような感覚があった。暑さからくる寝苦しさもあってなかなか眠りにつけないでいると、今度は明らかに
「ザリザリッ…」
と何かを擦り付けるような音がした。
気になって出窓に目を凝らしたんだけど、暗い上にどうも目が悪くてはっきりと見えない。
わざわざ電気をつけるために起き上がるのも面倒くさかったので、眠ってしまおうと目を閉じた矢先、また
「ズリズリ」
と何か擦るような音。
この時点で相当気味が悪かったが、流石に気になるし放っておけなそうなので、立ち上がって出窓の方に歩く。
3歩ほど近づくと目が悪い俺でもはっきり見えた。
プラスチックの板の隙間から、目が覗いている。
妙にどす黒い土気色の肌に、窪んだような光のない目が覗いていた。
それも二人。
それを認識した瞬間俺は
「うおっ」
と短く叫び後退りした。
どうすればいい?誰?大きい声で叫んで隣の人に迷惑だったかな?警察を呼ぶ?なんて考えが一瞬で頭の中をぐるぐる駆け巡った。
この時はまだ、人間の仕業だと思っていたので、驚きはしたものの、現実的な手段で対応しようと思っていた。
俺が出した結論は、今すぐ表に出て、直接問い詰めに行くことだった。
パンツとTシャツで寝ていたが、お構いなしにその格好で、万が一を考えてキッチンにあった包丁を握って背中に隠しながら外に出た。
玄関から駐輪場までは目と鼻の先なので、出てすぐに辿り着いた。
だけど誰もいない。
この辺は一本道なので、走っても到底逃げきれないし、近くの家は塀があったり、この短時間ではどうにも隠れようのない場所だ。
あたりを見渡しても姿は見えず、駐輪場の物陰なども覗いてみるがどこにもいない。
おかしいなぁと思いながらふと、逆に出窓の隙間から自分の部屋を覗く。
さっきの顔があった。
土気色の顔。窪んだ目。
部屋の中からこちらを見ている。
一人は出窓から、もう一人は奥の布団に突っ立っていた。
あり得ない。駐輪場から玄関まで、俺とすれ違わずに部屋に行くことなんて不可能だ。
俺は大声で叫んだ。そして走った。
もう何も考えられず、全力で走って逃げた。
同じ専門に通っている、学校の寮に住んでいる奴のところまで走って逃げた。
深夜にピンポンを鳴らしまくり、叩き起こして部屋に匿って貰った。
思考がまとまらずまともに話も出来ず、説明すらままならなかった。
しばらく経って少し落ち着いて、事情を話した。
朝までこのまま匿ってもらおうかとも思ったが、事情を話してるうちに、自分で話しておいてなんだがあまりにも話に現実味がなさすぎて、結局二人で戻って確認することにした。
まず、出窓から中を確認することにした。
恐る恐る見てみるが、部屋には誰もいなかった。
玄関を開けると、なんとも言えない腐葉土とカビが混ざったような臭いと、クーラーを効かせているはずなのにムワッとした空気が流れてきた。
二人で部屋を確認すると中には誰もいなかったが布団の上だけに、歪な形の、垢のような足跡が残っていた。
気持ち悪くて、その部屋で寝られるわけもなく最低限の荷物だけ持って友達の部屋に戻ることにした。
友達は明日も学校があるからとさっさと寝てしまったが、俺は恐怖と興奮で当然寝られるわけもなくなって、今に至る。
何でこんなことになったのかと思い返すが、今までの人生で霊的な出来事は一切なかったし、そういう類の力や能力も皆無。
どこかいわくのある場所に出かけたり、まじないの類もしていない。
部屋の辺りは本当に墓地の一つすらないような平々凡々な住宅街で、思い当たる節が何もない。
だからこそ、逆に不気味でたまらない。
友達がそばにいるのと、ようやく外が明るくなってきたしから、少し安堵感がある。
オチもないし、本当に何だったのか一切わからないが、一応書き留めておく。。
書き終えて、送信しようとしたら長すぎてエラーが…。
iPhoneのメモ帳にコピーして小分けにして送信したら変な米印がついてしまった、すまん。
目を開けていると全部の隙間が気になる。
目を閉じると、瞼の間から覗かれてしまうような気がする。
あたりの隙間が気になって、目を閉じていると向こうから気配がだんだん近づいてくるような気がして、思わず開く。
瞼の隙間から、あの土気色の顔で、あの窪んだ目で覗かれた時、俺は死ぬ気がする。
誰か助けて。
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