小学4年位の頃の話しなんだけど。
当時病気がちで何度か入院したりしてたんだよ。
その入院生活で仲良くなったお兄さんが居てさ、いつも2階の庭園みたいなとこでタバコ吸ってて俺を見るといつも
「吸うかー?」
なんて冗談でタバコ差し出してくるような気さくな兄さんだったんだけど。
ある日を境にパッタリ見なくなったんだよね。
退院したのかーとか思って少し寂しく思ってたんだよ。
見た感じ体調も良さそうだったし、まぁそんなもんなのかって自分で納得してたよ。
一週間位経って俺も退院間近。
久しぶりに外の空気でも吸うかって感じで庭園へ向かう。
いつも柵越しに駐車場を見ててさ、そしたらあの兄さんが駐車場に居てね。
こっちに気付いて手を振ってくれたんだよね。
おー!兄さんだ兄さんだ。
って思ってすげぇ嬉しくてめっちゃテンション上がったんだよ。
今すぐ会いたいって思ったんだけどいちいち病院の中抜けてそこまで行くのも時間かかるしいっその事フェンス超えて下に降りれば問題ねぇって思ったんだよ。
余裕だろ簡単じゃん!みたいな感じでね。
で、柵よじ登ってアイキャンフライしようとした時に看護師のおばさんに腕を掴まれた。
なにしてんの!死んじゃうよ!ってグイっと引き上げられた。
俺は必死に
「でも兄さんと会いたいんだって!兄さんに!」
って指差す。
兄さん相変わらず手を振っててさ
看護師は「は?どこ?」みたいな感じの反応。
どこにもそんな人は居ないと言われる。
今思えばあの兄さんってどんな顔してたかとか、どんな格好してたかとか全く思い出せねぇんだよな。
ま、少年時代の話だし記憶も曖昧になっちゃってんのかもしれねぇな!
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