テイクアウト事件(※実家から幽霊を連れて帰ってきた事件)から色々あって数年後、私は自衛隊にいました。
これは、部隊に配属されて1年目の新人のときの話です。
私は初めての演習で、某県の演習場に来ていました。
宿泊する宿舎裏の喫煙所でタバコを吸っていると、ある曹長がタバコを吸いに来ました。
私は曹長に敬礼をしましたが、その曹長は私の敬礼を無視して、私に話しかけてきました。
「おい、お前ちょっとそこの木の下いけ」
自衛隊は縦社会なので、上官の命令は絶対です。
意味もない命令でさえ、疑問を持たずに従うよう洗脳されていた私は、曹長に言われるまま近くの木の下へ行きました。
「もうちょい右、もうちょい、一歩後ろ」
と言われるまま一歩後ろに下がった瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
その時はまだ残暑が厳しかったのですが真夏、そこだけ真冬のように寒かったのです。
私はビックリして動いてしまいましたが、曹長は
「おっ!お前感じるんか!あかん!あかん!戻れ」
っとニヤつきながら、私に命令します。
私は意味もわからず、言われるままその場所に戻りますが、凍えるように寒いので動いてしまいます。
「戻れ」→震えて逃げる→「戻れ」→気持ち悪くて逃げる
何度か繰り返したところで、曹長が笑いだしました。
私は少しムッとしながら、
「曹長なんですかあそこ!」
っと詰め寄ると、曹長は笑いながら
「実はお前が立ってたところに女がおるねん、誰かが重なる度に鬼の形相になるのが面白くてな ハッハッハ!」
私は
「女なんかいないですし、、、重なるってどういうことですか!?」
その曹長いわく、自分が新兵の時からずっと木の下で立っている女の幽霊がいるが、何をしても動かないので遊んでる、とのこと。
その時は(あほかこいつ、関わらんとこ)と思いましたが、
この心霊曹長に気に入られたのか、その後の自衛隊人生で、色々なイタズラをされては心霊現象に悩まされるようになりました。
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