小学生の頃だから20年以上前の話です。
学校が終わるといつも自分を入れて4人で遊んでたんだ。
だいたい公園とか神社とかで走り回ったりミニ四駆とかで遊んでた。
確か小5の夏だったと思う。
神社で遊んでる時に泣いてる女の子がいた。
「なんか泣いてるのがいるな」
「めんどくさいから公園行こうぜ」
とか話してたら、女の子がこっちに来たんだ。
「お母さん、いなくなっちゃった」
話しかけられた時はもう泣いてなかったけど目を腫らしていて、小さい声で言ってきた。
たぶん小学校低学年で、自分たちより年下に見えたな。
「俺たち知らないよ」
「その辺で待ってれば来るんじゃね」
て感じであしらって公園行こうとしてたんだけど、
「一緒に探して下さい」
って俺の手をつかんできたんだ。
振りほどこうとしたけど、すごい力で掴まれてて驚いた記憶がある。
みんなは
「めんどくさいなー」
とか言って関わらないようにしようとしてた。
でも真剣にお願いしてるし、手を離さないのがわかったから、
「ちょっと一緒に探してやろうぜ」
って言って、みんなで探すことにしたんだ。
女の子は
「この神社にいるはず」
って言うからみんなで境内を回ったんだけど誰もいない。
5分もあれば一周できる程度の広さしかないんだ。
女の子に
「ホントにここにいるの?」
って聞いても
「絶対いる」
しか言わないから、1時間はグルグル回ってた。
お母さんらしい人というか誰にも会わなかった。
それで夕方になってきて、疲れたし見つかりそうにないから交番行こうって話になったんだ。
そしたらいきなり女の子が怒鳴り出した。
「一緒に探してくれるって言ったじゃない!あなたも私を放り出すの!みんなそんなのばっかり!嘘つき!許さない!」
そんな感じで突然叫んで、俺の手を離したと思ったら道路へ走り出した。
そこに車が来たんだ。
間違いなく轢かれた!と思った。
それなのに車は何もなかったかのように通り過ぎていった。
俺たちは何が起こったのか全然わからなかった。
4人とも、道路に女の子が走っていって確実に撥ねられるタイミングだったことは見てる。
でもぶつからず車は普通に走っていった。
急ブレーキなんかもなかった。
気が付くと女の子は道路の向こうにいた。
こっちを向いて無表情で俺を見てた。
そんで次の車が横切ったと思ったら、次の瞬間にはもういなかった。
ただ、道路の向こうにいた女の子を見たのは俺だけだったんだ。
あとの3人は見てないと言ってる。
みんな同じ方向を見ていたはずなのに。
「あれおかしくね?」「ひょっとして幽霊?」
そんな話をして、俺たちは怖くなって帰ることにした。
それから俺たちは神社にはいかなくなった。
なんか怖いし、話にすることもあまりなかったと思う。
それから一ヶ月くらい経って俺は女の子に再会した。
夏休み家族で行った遊園地のプールだった。
波の出るプールで1人で遊んでいる時に、急に足を掴まれた感触があった。
潜ってみたらいたんだ。
女の子が。
水着じゃなくてこの前と同じ格好で、水の中なのに普通にしゃがんで俺の足を掴んでる。
俺はパニックになってバシャバシャしてたんだと思う。
気が付いたら監視員に助けられてた。
それ以降その女の子は見ていません。
オチがなくてすいませんが以上です。
彼女は一体なんだったんでしょうか?
コメントを残す