私(55歳独身)は去年、東京から北の地方へ友人から一緒に民宿を共同運営しようと誘われ、着の身着のまま移住しました。
その前までは、身内…特に5つ年上の兄に執拗ないじめ・束縛を受けて、両親からも良いように利用され卑屈なおばさんでした。
その状況を考慮して、2年前に知り合った友達の誘いに乗って逃げ出せたのですが、その先では友人の裏切りが待ってました。
民宿の改築等の運営資金を貯金から奪われ、共同運営の筈が登記では全権利が友人にあり、半年余りが過ぎ、私のお金が尽きた頃には突然「出ていけ」と言われました。
その後、なんとか頼み込んで次のアパートや住み込みの仕事を見付けるまでは住めるようになったのですが、それも4ヶ月目には友人の我慢も限界に達して、一週間以内に出ていけと…完全に絶縁宣言されました。
そこで最後にダメ元で某SNSで住み込みや居候のお願いを呼び掛けましたら、なんと一人だけ居候を快諾してくれました。
その方は、この地方へ来てからパートで知り合った同年代の母子家庭の女性で、その女性と息子さん(20代)の三人で二度だけ食事した程度の関係でした。
居候の初日に、ある程度事情を話しましたら、息子さんは法律関係が詳しいのか、訴えたら間違いなく勝てる案件だと言ってくれました(普通のサラリーマンですが、仕事の大きな企画を任されるにあたって法律関係の勉強もしなければいけなかったらしく、友達に司法書士が居て良く話を聞いていたためある程度は解っているらしいです)
それから弁護士相談などにも付き合って頂き、今は弁護士へ完全にお任せ状態ですが、相談時には弁護士もノリノリで「絶対勝てる。いや、勝たせてあげる」と満面の笑顔で息子さんの言う通りに事が運んでいます。
そんな中、パートの仕事量も増やし、いつまでも迷惑掛けられないので賃貸の部屋探しを土日をフルに使って探していたら、昨日の土曜日に部屋探しから帰宅すると、早速お母様から怒られました。
「なにをそんなに焦ってるんだ」
「部屋が見付かった所でどうするんだ。家賃の他にも食費光熱費交通費…給料のほとんどが飛んでしまうだろうが」
「安定するまでここに居なさい。馬鹿者」
本当に私の事を心配してくれているのが分かりました…
でも、なぜ少ししか付き合いのない私にこんなにもしてくれるのか分からなかったので聞くとそのお母様は…
「あたし達は親の代から何か困ってる人、苦しんでいる人を見つけたらヤクザとポン中以外は必ず助けろ。と教えられてきたし、あたしもそうしてきた。だから居候なんてあなたが初めてじゃないの。だからぼんず(息子さん)も「誰こいつ」みたいな反応しないでしょ?あたしは努力して苦労してる奴は助けたいの。他に理由なんてないよ。確かにうちも貧乏所帯だけどさ、お互い様じゃない。だから、あんたは今は黙って甘えてりゃいいの。」
と言ってくれました。
息子さんも「僕らはどんな人でも一度助けると決めたら家族のつもりでやってます。○○さん(私)ももう家族です。母さんの言う通り僕らも貧乏ですけど…金は無くても居場所はありますよ(笑)」と言ってくれました。
それまで自分を苦しめるだけの存在だった家族という概念が壊され…今新しく大切な家族ができました。
泣いてばかりで声も出せない私にこの母子は「一人で頑張らないで、一緒に頑張ろ」と言って手を握ってくれました。
手の温もり…
家族の暖かさ…
今まで知らなかった優しさを、これからこの家族とたっぷり学んでいきたいと思います。
–END–
『オバチャン(55歳・♀)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
恩を忘れないで生きてください。良かったね。