高校3年の4月、テニス部だった私はいつも暗くなるまで練習に明け暮れていた。
当時のテニス部は野球部より練習が厳しいと言われる位練習させられ、スポ根を絵にかいたような部だった。
実際何年か上の先輩たちはインターハイに出るほど強かった、まぁ私の学年は地区で準優勝が最高順位でしたが。
で、その日は雨が降り、珍しく早めに部活が終わった日だった。
本荘方面から来ている部員が喜び勇んで早い時間の電車に乗り遅れまいとダッシュで部室を飛び出していく中、私と私とペアを組んでいた部員だけは自転車通学と言うこともあり部室でのんびり着替えをしていた。
雨も小降りになり、さあ帰るかと2人で部室を出て、体育館横の出入り口から校内に入ろうとしたところ、すでに鍵をかけられてしまっていた。
まあ、遅くなって鍵をかけられるのには慣れていたので特に驚きもせず、二人でなるべく雨に濡れないように1階の教室沿いを歩いて正面玄関に向かうことに。
あわよくば、教室で着替えている1.2年の後輩がいたら窓から入れてもらうと考えながら、各教室を覗いて歩いていく。
最初の1年F組の教室には生徒がいたものの、ロッカールームで男子と女子がじゃれあっていたが、何となく「窓を開けろ」とは言いづらくその教室はスルー
隣の教室の窓に差し掛かった時に彼女は現れた。
窓際に座り、ボーと窓の外を見ている・・・
あまりに近くで目が合ったため、私はビックリして大声で
「うわわっわぁーーーΣヽ(`д´;)ノ !!!!」
と言いながら3メートルほど吹っ飛しまい、見知らぬ1年生の女子に対して引っ込みがつかなかったんで一言
「お前 幽霊かと思ったぞ!!(笑)」
その時の彼女のリアクションと表情がいまだに忘れられないくらい無表情でノーリアクション、全く微動だにしないという感じ、そしてなんか違和感を感じる。
仕方ないのでバツが悪くて窓を開けてくれとも言えず恥ずかしくてそそくさと歩き始め 先に歩いていた相方に
「お前ビックリしなかったか??」
と聞くと
「実は超ビビったんだけど ビビらないふりをした(笑)」
とのこと。
何だか俺だけ1年の女子の前で大恥かいたな・・・クソっ と思いながら2年の教室で部の後輩を見つけ、さっきの汚名返上とばかりに思いっきり先輩風を吹かせながら大声で
「おらぁ!!あげれぇゴラァ!」
と窓をたたいた。
すると今度は後輩三人が
「うわわっわぁーーーΣ(>ω<ノ)ノヒイィィィ !!!!」
思っていた以上のリアクション(笑)窓を開けてもらい中に入ると
「先輩こんな時にやめてくださいよ!!」
??(´・ω・`) ??
「お前らどうしたんだ?」
すると後輩が
「さっき1年E組で幽霊でたって女子のテニス部の連中が騒いでたんですよ・・いやー今のマジでビビったっす」
・・・・
「馬鹿 さっき俺等も通ってきたけど 普通に女子いたぜ(笑)何ビビってんだよ なあ?」
と相方も
「んだんだ」
「マジっすか そうなんすか?なんだぁ(笑)」
後輩もちょっと落ち着きを取り戻したんで私が
「だったら俺と見に行ってみるか(笑)?」
と煽る。
この時点では全く彼女が人間であることを疑ってない。
しかし、先頭で廊下に出たところで、女子部員が車座に座って皆泣いている・・・・ その雰囲気がその場で 冗談を言わせるだけの余裕を先輩から奪ったΣ(゚Д゚)
でも尚更後には引けず1年E組に到着、内心ビビりながら 教室を覗くと誰もいない ホッとするのも束の間、さっき彼女がいたあたりの窓が少し開いていて 白いカーテンがいきなり風でブァーー!!膨らんだ!
ああqwせdrftgyふじこlp;!!!!!!!
野郎五人で総崩れ(笑)
走ってさっきの教室まで戻る。
それから早足で3年の自分の教室に戻り、私を待っていた当時テニス部のマネージャーで付き合っていた彼女と逃げるように学校から帰った、その日はいつものキスどころか手も握らなかったような(笑)
まあ これで終わりならホントに人がいただけなんですが、次の日相方と
「あの子、4月なのに たしか夏服着てたよな・・・」
多分あの時感じた違和感はこれだったか・・・
どこにでもあるような話だと思うが、当時学校で幽霊が出る噂があり、それが1年E組だったことと、彼女が卵形の顔とおかっぱ頭だったことはその噂と全く一緒だった、それに夏服なことが付け加えられることとなる。
当時は自分たちの学年になるまで亡くなる生徒が毎年出ており、この手の噂が絶えなかった。
次の日学校はこの話で持ち切りとなり、夜残って幽霊を見ようとする馬鹿者が絶えなくなった、そして 見えもしない幽霊に うわわっわぁーーー!!! となって転んでけがをした馬鹿が私の友人にいる(笑)
–END–
『ff432449(年齢42歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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