大学の時に半年ほどアメリカだかオーストラリアだかに留学してきた友人Aがいて、帰国後の言動が痛かった。
「今時外国に行ったことない、英語も喋れないって、人生の半分は損してる」
「帰ってきたら日本って狭いな~日本人って小さいな~って感じたよ」
などなど。
完全にミサワ状態で、とにかく周りの友人や他の学生、しまいには教授や日本人全般をdisりだす始末。
何をしに行った訳でもなく、強いて言えば「外国に行くため」に親に金を出してもらって留学して、何を偉くなったつもりだ・・・とみんな呆れていた。
そんな時、大学のイベントの一環で留学生たちと交流する機会があった。
俺含め友人たちは恥ずかしながら英語が苦手だったが、なんとか単語やジェスチャーでコミュニケーションを図っていた。
友人Aを見ると、様子がおかしい。
最初はすごい巻き舌を駆使した英語で喋りはじめたものの、相手の白人留学生に聞き返されると、オドオドゴニョゴニョ、「あーはん・・・」とか「うぇる・・・」を連発していた。
英語できない俺から見ても、喋れていない。
その時、そいつの横にいた友人Bを見て、びっくりした。
ものすごい流暢な英語で喋りまくり、相手の留学生と大変盛り上がっている。
俺からすればネイティブと遜色ないレベルの英語に聴こえたし、コミュニケーションの取り方もとても自然だった。
Aもそいつの方をチラチラ見て気にしているようだった。
後で、 Aのいる場でみんなでBを「お前すげーな」と囲んだところ、Bはその時に初めて自分が10歳までアメリカに住んでいた帰国子女であること、今でも一年に一回は当時の友人を訪ねていることを控えめに教えてくれた。
日本語もペラペラだし、何よりAの自慢話を聞いていても黙って相槌を売っているだけのヤツだったから、びっくりした。
きっとAは恥ずかしかったんだろうな、その後は痛い言動は控えめになった。
俺はただの英語もできない貧乏で外国も行けないダサ学生だったが、Bのおかげでスッキリした・・・という他人の武勇伝でした
長文ごめん
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