うちの会社にとにかく酒癖の悪い先輩がいる。
酒の席で酔いが回るととにかく人をディスりまくりで座右の銘が
「酒の上だから」
しかもやった事を覚えていない(自称)というタチの悪い酒。
ある時、俺の同期かつ同級生の奴がロックオンされた。
同期は大人しい奴で少し軽く見られていた所もあって、格好の餌食だったのだろう。
やれお前は物も碌に言えないに始まり、その他諸々聞くに堪えなかった。
俺が隣だったので少したしなめたが、「酒のry」で聞く耳持ちゃしない。
更にヒートアップした先輩は、同期の後ろ襟をつかんでガックンガックンやり始めた。
俺と一部の人間しか知らなかったが、同期はある格闘術2段、しかも実際は昇段をしていないだけで5段クラスまでなら互角に戦えるやつ。
鍛えてるようには外見上全く見えないし、普段の言動からじゃ絶対に判別不能。
学生時分もまず人と争っている所なんか見た事もない。
同期の幼馴染曰く、
「泣いたら負け、ルールなら誰でも勝てる。ただ、最後まで立ってた方の勝ちでやれば、その辺の奴にアイツが負ける所は想像できん」
との事。
結末はお察しになるが、酒が飲めない(ビールをコップ半分が限界)同期が乾杯用に置かれていたビールをくっ、と一気飲みし、
「酒が入っていればいいんですよね、先輩」
と言いながら襟をつかんでいた右手を握りながらすっと立ち、先輩を引っ張り上げる形に。
そこから投げ飛ばし、関節決めて身動き取れない状態にするまでを恐ろしいくらい早く、かつ滑らかにやってのけた。周りがリアクション取る隙すらなかった。
さすがに正気に戻った(らしき)先輩がわめくものの、同期は
「酒の上ですからww」
「明日覚えてなかったらサーセンww」
とヘラヘラしてた。
上司が引きはがして終了したが、以降飲みの席で先輩が荒れる事はなくなりました。
しかし酒には負けたようで、その後酔ってグニャグニャになってましたが。
ちょうど一年前の忘年会の事だったので思い出し。
なんだよ、またスカッとする体験談ばっかになってきて、つまらん!