8年前くらいの話。
当時アパートに住んでいて、そこに住み始めて長かったんだけど、どうもそこのドアスコープが気になっていた頃があった。
きっかけは私が玄関の掃除をしているとき、なぜか見られているような妙な感じがしてキョロキョロしていて、ふっとドアスコープを覗いたら、シーツか何かをかぶった人がいた。
びっくりして目を離して、しばらくそこを覗けなかった。
でもどうも気になり、それから忘れた頃に覗くと、ちょくちょくその人(?)を見るようになった。
やっぱり怖いけど特に何もしないみたいだし…と思って、ほぼ好奇心と勢いで覗くようになっていた。
ある時覗いてみて、少し指で手を振ったり招くようにしてみた。
するといきなり激しくドアを叩かれ、開けようとしてきた。
鍵はかけてたけど、慌ててチェーンをかけた。
無理矢理開けようとしてきて、少し開いた隙間から白い布が見えていた。
5分くらいしてようやく静かになった。
怖さで涙と汗が止まらず、取っ手を握ったまましばらくじっとしていた。
もう嫌だったけど、少しだけドアスコープを見ると、真っ赤に充血した目と目が合った。
すぐにガムテープで塞ぎ、ベッドに潜りこんで寝た。
すぐにでも部屋を変えたかったけど、当時お金のなかった私は、ここの家賃を払うのですら精一杯だった。
しかたないので、頻繁に友達を泊めたりするようにしていた。
それから2年ほどして、今のマンションへ引っ越した。
それで、前のアパートの掃除をしに行った。
やっぱりちょっと怖かったので、早めにすました。
帰るときに、アパートに一礼して帰ろうとしてたんだけど、ふと、ここからどんな風に見えてたんだろうと思って、外側から覗くと、ぼんやりと白い物体がウネウネとしていた。
だんだんとこっちに近づいて来て、怖くて走って逃げた。
なぜだか最近また、ドアスコープに白い人が映るようになっている。
今度目が合ったらもう戻れない気がして怖い。
都市伝説のくねくね