ひど過ぎる話。
ある日から、いきなり変な夢を見るようになった。
それは髪の長い女の人が、少しずつ自分に近寄ってくるのだ。
女の人の顔は、何故か自分を憎んでいるかのように怒っていた。
毎日恐怖に怯えながら飛び起きる毎日。
だがどうする事も出来ない。
仏壇に手を合わせても、お守りを買っても、どうしても夢を見る。
夢の中では動く事も出来ず、固まっているしかなかった。
じわじわと真綿で首を絞められるように、少しずつ精神も体力も削がれて行った。
ある日とうとう女の人が自分の目の前まで来て、顔を覗きこむように睨まれた。
そしたら
「あらやだ」
と言い、今までの鬼のような顔はどこに行ったのか、 急に顔を赤らめ、もじもじしながら走り去って行った。
それ以降、夢は全く見ない。
眠れなかった二ヶ月半、返してくれ。
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