かれこれ20年以上も前の話だから時効だからもう書いてもいいだろう
これは自分の友人が体験した奇妙な物語です
20年以上前の大雪の夜のことでした
仕事が終わった夜、彼女は自宅のある○○市へ向かう電車を待っていました
大雪のため、大変寒く、プラットホームは真っ白で寒さに震えながら早く電車が来ないかとイライラしていました
やっと電車が来たので大急ぎで乗り込むと、ホッとしてついうつらうつらしながら電車に揺られていたそうです
しばらくして外の景色を見た彼女はあることに気付いたのです
夜でもあり、大雪でもあり、はっきりとはわからなかったのですが
いつもと違う景色の中を電車は走っていました
ここはどこ!!??
彼女は頭が真っ白になっていくのを感じました
彼女の仕事はデパート関係なので、すでに夜の9時を回っていました
田舎の路線ゆえ、元の駅に戻っていたのでは、最終の電車ももうなくなっているかもしれないからです
次の駅に着いた時、彼女は大急ぎで電車を飛び降り駅員に尋ねました
ここはどこ??っていうか・・乗り間違えたんで戻りたいんです!
駅員は彼女の顔をじっと見て言いました
今からだと元の駅に帰る電車はもうありませんよ
駅員はしばらく黙っていましたが、やがて一両の電車を指さして言ったそうです
・・・あれに・・乗りますか?
彼女は尋ねました
元の駅に・・戻れますか・・?
駅員は答えた
元の駅には戻れないかもしれないが、近くまでは行くはずです
今いる駅はド田舎の小さな駅・・宿も民家も非常に少なく明日も仕事なのでどうしても帰りたい・・
彼女は決心しました
はい。。乗せて下さい
その電車はホームから1メートルほども離れていた
彼女はホームに落ちないように必死で足を延ばしその1両の電車に乗り込んだそうです
1両の電車の運転手は冷たい笑顔で彼女を見下ろしていたそうです
そして、大雪の中を1両の電車は走り出しました
・・・元の駅には戻れなかったが、他の駅までたどり着いた彼女はそこからタクシーに乗って無事、自宅に帰ることができた
そして後日、こう言っていました
『世の中広しと言えども、ラッセル車(除雪用車両)に乗って帰ったOLは私だけかもしれない』
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