私が高校の時の話だから、もう15年近く前の話。
高校全体で、会館を貸し切って落語を聞くっていうのがあったんだ。
そこで、私が一万前の席だったんだけれど、隣に理科の先生が座っていた。
普段厳しいこの先生、ちょっとでも寝ると教科書でスパーンと頭を殴ってくる先生なんだが、なんと、その日一番前の席でありながら、腕を組んで寝始めたんだ。
どんな面白い落語で、会場がわっと盛り上がっても(-ω-)。
最後に出てきたのは、なんと三遊亭小遊三さん。
高校生でも分かりやすい、面白いネタをと考えて来たんだろう、オチもネタも判っている寿限無で、会場を大爆笑の渦に巻き込んだ。
この時、落語ってすごいんだなって素直にそう思ったんだけれど・・・そんな中でも先生は(-ω-)。
スゲー腹立った。
でも、敵は先生だから、誰も何も言えなかった。
落語が終わり、深々と頭を下げる三遊亭小遊三さん。
そのままそでに行っちゃうのかと思いきや、先生の前にすたすた歩いて来て、ステージ上から先生の前で中腰になった。
「先生、先生よお」
(゚Д゚;)ハッ
「先生よお、一番前で寝てちゃぁー駄目だぜ」
(゚Д゚;;
それだけ言ってスタスタ歩いて行ってしまった。
かっこよかった。
胸がすーっとした。
三遊亭小遊三さん、私はあの時のこと二度と忘れないよ。
先生も疲れてるんだよ。俺も高2の数学の授業中、前の席で臥せってしまった。そのとき急に当てられて因数分解の複雑な解を求められた。すぐに答えられるようなものでなかったが、不思議にも答えの数字が口からたちどころに出てきた。(あてずっぽうでもなく、でまかせでもなく、)数学のǑ先生は驚いたようで、黒板で検算してました。その解は正解であった。それで何も言われなかった(叱られなかった)あれは俺の不思議な経験で今でもよく覚えている。