10年前、名古屋に住んでいたのですが、ある日部屋でぼーっとしていたところ、急に昔飼っていた猫の鳴き声がしました。
部屋の外から聞こえてきたというのではなく、耳元近くで小さく、
「ニャ」
と。
建物は鉄筋のマンション、テレビもラジオもつけていない状況で猫がいるはずもなく、その声はまぎれもなく昔飼っていた猫のかすれたような特徴のある声でした。
不思議なこともあるものだと受け流していたら、30分もたったころ、実家から連絡があり、大阪にいる兄の行方が分からなくなっているとのこと。
その声の主と思われる猫は、昔兄に溺愛されていた猫でした。
兄はほどなく見つかりましたが、そのときちょうど本気で死のうかとか考えていたらしいです。
猫に心配かけるなよな兄貴、という話でした。
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