午前一時だかそこらの時に部屋でダラダラゴロゴロしてたんですよ。
俺の部屋ってのは一階で、窓の外がすぐ庭に面してるんです。
で、その日もまあネットやってたりしてたんですね。
したら庭に面してる方の窓の向こうから足音みたいなのが聞こえたんですよ。
カーテン閉めてたから庭は見えなかったけど聞こえたんです。
それで「こんな時間に客か?」とか思ってたんだけど、どうもそうじゃないみたいで。
足音は庭を横切って玄関に行く、とかじゃなくて俺の部屋の窓の前で止まったんですよ。
あからさまにピタッて。
そこでようやく気付いたんですよ。
「あれっこれもしかしてヤベェんじゃあないのか?」 とか。
で、真っ先に思い付いたのが「強盗か?」とかで。
木刀とか持ってないから、ていうか動いたらなんか窓ブチ割って来そうな予感がしてしばらく座ったまま動かず警戒してたんです。
そしたら窓の向こうにいる(と思われる)強盗(と思われる)奴のものらしい声が聞こえたんですよ。
「にゃ~ん」 て。
それはもう発情期の猫とかそんなん超越した感じのあからさまなオッサン声。
ヤベェと思った。
今自分が置かれてる状況もヤベェけどいきなり人んちの庭に入り込んで人の部屋の前に立ってにゃ~んとかホザくオッサンの精神状態の方がヤベェと思った。
それでヤベェヤベェと思いながらも動けずにいたんです。
ポリスメンに連絡すりゃあいいのに。
マジで恐怖に晒されると動けなくなるって本当だなと思った。
んでそのまま何10分かカーテンと窓を隔てて睨み合ってたんです。
実際はそんな長くなかったかも知れないけど。
そしたら窓の向こうが急に静かになった気がして。
もしかして帰ったか、と思いそっとカーテン開けてみたんです。
やっぱいなかった。
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