自分がまだ高校生だった頃の話。
細々と自営業を営む我が家に近所のオヤジがやってきた。
このオヤジは別に買い物もないくせに毎日のようにうちにやって来ては、店先でぐだぐだどうでもいいことを喋っていくので家族はすごく苦手にしていたけど一応お客だから無碍には出来ないし…と主にうちの母親が話相手になっていた。
オヤジはDQN校に通う娘がわりと勉強出来ることをやたらと自慢してて、その話ばかり。
「それがさぁ、うちのアレは英語が得意でさぁ、こないだ中間テストだか何だかあったんだけど、90点くらい取っちまったんだわ~」
みたいなのを延々と。
そしてまた執拗にわたしの成績を尋ねてきて、
「ところでアンタんトコの娘さんは○女(一応県では進学校)じゃ何番くらいにいんの?奥さんは高校行ってないよね。旦那は△商だったっけか?今時ねぇ、米屋でもある程度学がないと大変だからねぇ。娘さんに期待でしょう。でもねぇあんまりレベル高いとこに無理して入っても、ついてくのだけで精一杯って子供もいっぱいいるらしいからねぇ…」
とかいかにも馬鹿にした風に言ってるとこに私が帰宅。
そして店に入ってくるやプリントを広げて
「お母さん見て見て!模試の結果出たんだけど学年で三教科一位、五教科一位で総合一位だったよ~!やったぁ!!」
オヤジポカーン。
「・・・・・・は?一位、って、何?一位?学年で…?」
そうだよ!と自信満々に答えるわたし。苦笑いの母親。
「でもま、勉強だけ出来てもしょうがないわな…これからの時代はな…」
とかモゴモゴと呟きながらオヤジはそそくさと帰っていったとさ。
以来店にあまり来なくなり、来てもソッチ系の話題は絶対出さないようになったとか。
こんなのすっかり忘れてたんだけど、この間帰省した時に母親がしみじみと語ってくれたよ。
「あの時はあんたのこと『そういうのを人前でベラベラ言っちゃダメだよ!』って怒ったけど、本当は凄くすっきりしたのよ」
ってさ。
すでに夕飯の麻婆豆腐は出来てたのに、わざわざ散らし寿司も作ってくれたらしいw
分不相応な大学を志望してしまった娘のため、たっかいお金払って塾に通わせてくれた母。
今その志望大でそれこそついてくのに精一杯だけどw
ほんとに感謝してる。
夏休みにバイトして貯めたお金で、来月ドッキリで沖縄旅行をプレゼントしようと計画中してます。
ぼぼ だの 地獄行き だの バカに染まらないで、親こうこう してね。
地獄では受験母娘よりもDQN父娘が出世しています。
正に勉強だけ出来てもの見本みたいですよ。