海外に住んでいた頃の話。
お昼を作るのが面倒で、デリバリーを頼んだ。
届けに来たのは若い男の子。
私を見るなり「日本人?」とか「この国は気に入ってる?」とか
「日本人の女性は美人が多いね」とか
気さくに話しかけてくれる良い子だった。
商品の受け渡しが終わると、男の子が突然
「電話ください」
と言い出した。
本当はもっと長いフレーズだったけど、当時の私の現地語レベルが低く、そこだけしか聞き取れなかった。
何度聞き返しても同じ。
仕方ないので英語で聞き返したり、どうして電話が必要なの?と聞いたけど彼は英語ができないようだった。
戸惑っていると、今度は「紙をください。電話番号。」と言い出した。
あぁ!紙に電話番号書いてくれor書くから電話くれってことか!と思い
「私、結婚してるから電話はできないわ(キリッ」
と答える私。
ポカーンとする男の子。
そしてキョロキョロとしだし、玄関脇に置いていたレシート(商品と一緒に受け取ったやつ)を手に取って
「コレ、コレ。商品に問題があったら、ここの番号に電話してください」
とゆーっくり話してくれた。
理解した瞬間、顔から火を吹きそうだった。
『地獄の業火』に比べたら『顔から火』なんてそよ風みたいなものですから安心して地獄送りされてください