私が母に「何か恐い話ない?」と聞いたとき、母が嫌々ながらに語ってくれました。
母が17歳位の頃、母のお母さん(私にとっての祖母です)が病院に入院した時の頃です。
夜、母が姉と一緒に1つの部屋で眠っている時、玄関の開く音が聞こえました。
祖父は少し前に他界していたそうなので、誰だろう、と母は不思議に思ったそうです。
耳をすましていると、足音と共に居間への襖が開く音が聞こえたそうです。
そして、また次の襖が開き、次の襖…
まあまあ年代のいってる方ならわかると思いますが、昔の家は大きな長方形型で、部屋は襖で仕切っているだけなので襖を開けていけば、家の端から端まで部屋が繋がるんです。
そうして段々自分達の部屋に近づく足音に耐えられなくなり、母は姉を起こそうとしました。
しかし起きてくれなかったそうです。
もうどうしようもなくなり、母が布団をかぶると自分達の部屋の襖が開いたそうです。
怖さで、布団から出ようなんて思いもしなかったといっていました。
しばらく沈黙があり、その誰かはまた一つずつ襖を閉めて帰っていったそうです。
母は恐いものが大嫌いで、アンビリバボーとか全然見たがりません。
なので、作り話とはとうてい思えません。
家に入ってきた誰かは泥棒だったのでしょうか?
母は、
「きっと、私とお姉ちゃんがまだ若くて心配だったから、私のお母さんが病院から様子見にきたのよ」
といっていました。
勿論、生霊という意味だと思います。
夜の訪問者はあの御方の御配慮で地獄に落ちる前に貴女方に一目逢わせて貰ったのですよ
襖が そんな沢山あるなんざぁ、相当デカい家にお住まいで!