自分の話じゃないけども。
卒業後もちょくちょく文化祭の手伝いに行く私。
茶道部なんて普段は全然人いないくせに何でこういうイベント時は盛り上がるんじゃい、と嬉しいんだか悲しいんだかなんかよくわからないままにとりあえず文化祭の手伝い終了。
帰りの電車は休日ということもあり、混んではいないが席は全部埋まってる。
そして優先席の隅には、お姉さん、そしてその前に盲導犬が座っている。
「初めて見た!」が正直な感想だった。
ゴメンナサイ。
だって平和な空気だったんだもの。
けど隣の車両からおばさん二人がやってきて一変。
おばさん来るなり
「やだ、犬じゃない!あたし犬駄目なのよ!!」
周りに聞こえる大声で
「やだわぁ、犬いるなら乗るんじゃなかったわよ」
とかなんとか騒ぐ。
おばさんって何で声が煩いんだろう。
隣のおばさんも「そーねー」みたいな。
そーねーじゃねぇよ!
お姉さんはなんとなく申し訳なさそうに見えた。
犬はおとなしかった。
すると一人の幼女(多分一年生くらい)がおばさんに向かって
「おばちゃん、だめだよ。この犬はね、もうどうけんっていって、すごくえらいんだから!おばちゃん、めかくししなきゃだめだよ!○○(その子の名前)もしたの!こわいんだよ!」 (かなり要約)
……正直お嬢ちゃんが何を言いたいのか、一瞬ではよく分からなかった。
すると幼女の家族(父・母・姉)がおばさんの元に謝りにきた。
そのころにはおばさんもなんか申し訳ない気分になったのか
「いえ、いいんだけどね」
みたいな。
幼女は状況をよくわかっていないのか、お姉さん(中学生くらい)に向かって
「ねー、今日めかくししたもんねー!」
姉、にっこり笑って、
「うん。お姉さんたち優しくてよかったね」
そのとき、少女(姉)の持っている紙袋を見てびっくり。
う ち の 学 校 じ ゃ ん
ここですべてを悟った私。
彼女らは中学受験の下見として、うちの学校の文化祭に来ていたんだ。
目隠し体験をしているのはうちの手話部と思われる。
在学時、手話同好会が校長の独断で部に昇格されることに対して、
「だったら茶道部室の破れた障子直してくれよ!」
と思った自分を激しく恥じた。
こうして、子どもは優しさを覚えていくんだなと思ったら、盲導犬を撫でようとして
「優しくよ?」
と母親に言われる姿に、何か感動したんだ。
胸がスーッとする、というほど爽快な話じゃなくて申し訳ないけど。
お姉さんに絡んでいるわけでも無いし注意しなくてもいいかなと思った私は、大和撫子として激しく未熟です。
すいません。
抹茶の粉飲んでくる。
お嬢ちゃん good job!
走る電車で大人しい犬は乗せとけ 煩いババアは投げ落とせ
キャンプ手話部