小学低学年の時の話。
祖父母の家ってのが東北の田舎の地主で、兎に角アホみたいな土地持ちだった。
おかげで山半分の敷地に家が親族3棟しかなく私有地と見なされたのか町も街灯すら取り付けてくれなかった(今でも道に街灯はない)。
その家ってのが築130年で、いまだに便所がボットンなんだが、子供の頃、その家の便所が本気で怖かった。
田舎の厠って深くて暗いんだな。
当時はまだ増築前で外に便所があったし。
で、その家に泊りに行った時に夜中起きて便所に行ったんだが、ボットン便所って、使う前にどうしても無意識で穴を覗いてしまうんだな。
いつものように穴を覗いたら、くみ取り直後の深い穴の底に全然知らないじいさんが浮いていた。
顔だけ(プールで顔だけ出して浮いてる香具師みたいに)目が合ってじ~っと見られて、その後ゆっくり沈んでいった。
その後は大泣きしてばあちゃんの所に駆け込んだけど、その老人に心当たりがまったくなし。
数年後、広島にある父方の実家に産まれて初めて行って、仏壇見て死ぬほど驚いた。
自分が産まれる前に被爆で死んだじいちゃんだった(マジ)。
じいちゃんの顔、それまで見たことなかったんだよね。自宅に仏壇ないし。
じいちゃん かわいそー 孫の顔見たかったんだろ!
何も便壺内で待ち伏せしなくても 普通に逢いに来たら良かろう
そんなはずない