小学生4年生の夏休み、確か夕方だったと思います。
僕は近所の公園で「クワガタ用のクヌギ」を切っていました。
当時僕の家にはノコギリがあったのですが、いわゆる引いて切る和式のノコギリとは違って「押して切る」 タイプの西洋ノコギリしかありませんでした。
そして、クシャミをした拍子に、手に力が・・・・・・・・・。
クシャミですから、押す方=切れるほうに力を入れてしまいました。
結果は左手の親指の骨が見えるくらいの大怪我でした。
当然、血もたくさん出ました。
当時着ていた白のランニングシャツが真っ赤になって 重くなったのを覚えています。
やっと自宅に帰り着き、玄関で
「お母さーん」
と叫んだのですが 家は静まり返って、人の気配がありません。
ふと、冷蔵庫を見ると、
「○○(本名)へ。お母さんは土手にマラソンしに行ってきます。 晩御飯までには帰ってきます」
という紙切れが磁石で止められてありました。
まだ、血は止まりません。
ぐっしょり血で濡れたシャツを傷口に当て、気が遠くなりながら死ぬかと思った。
その後どうしたのかな? お母さんが帰るまで待ってたのかな?