小学校2年生の冬。
雪国に住む私は屋根の上から降り積もった新雪の中に飛び降りる遊びに夢中になっていた。
何回目かに飛び降りたとき、胸まで埋ってしまった。
もがいても底無し沼のように抜け出せない。
周りには誰もいない。
「おかあさ~ん」
と叫んでみたが、音は雪に吸収されてしまい、母親が出てくる気配もない。
雪がまたしんしんと降り始めた。
「おかあさ~ん」
私は叫び続けた。
だんだん手足の感覚もなくなってきた。
辺りも暗くなってきた。
胸までだった雪も首の辺りまで積もってきた。
もう声も出ない。
そのとき、ようやく母親が出てきて、私は救助された。
長靴の片方が尊い犠牲となった。
死ぬかと思った。
豪雪地帯ならではの危険
わたしはダイブしたため、尻に、もうとひとつ穴を作ってしまったことがある。雪の中はわかんないから。