今から10年近く前の中学生の頃こんなことがありました。
トイレでの話です。
深夜は私は尿意で目を覚ましました。
眠い目をこすりながらも階段を降りトイレの電気をつけ、ドアを開けました。
私は男ですので、もちろん立って用を済ませます。
すぐに、チョロチョロと小便が出始めたのですが、「あれ」と何か不思議な気配を感じました。
いつもと何か違います。
「ん?」と気をつけて周囲をみると、タンクの上についている蛇口。
そこには芳香剤や水草のようなものが、普段置かれているのですが。
今、普段見なれないものが置かれていました。
それはもさもさした黒いボールのようなものでした。
私は好奇心と、用をたしている間の手持ちぶさたから、そのボールのようなものを手に取りました。
そして、「くるっ」とこちら側をむけると、一瞬なにがなんだか訳がわからなくなりました。
それは目をつむった人の顔だったのです。
しばらく私は放心したように、その顔を見つめていました。
そして、あることに気がつきました。
「あ、自分の顔だ」
と。
その瞬間です。
閉じていた目がゆっくり開きこちらを「に~」と見つめてきました。
そして、口元が悪戯っぽく「きゅっ」とつりあがりました。
ここで、やっと私に正常な感覚が戻ったのか、
「ぎゃーーーー!」
大きな悲鳴をあげました。
しかし、やはりパニックだったのでしょう、その頭は投げ捨てもせず、ずっと持ったままでした。
持ったまま、その顔から目をそらすことも出来ず、しばらく悲鳴をあげる続けていました。
この後、自分がどうしたのかはよくわかりません。
ただ、駆けつけた両親によると廊下にうずくまり、ぼそぼそと独り言を言っていたようです。
すこしだけ私も覚えています。
確かに何か独り言を言いながら、両親に脇を抱えられ部屋まで戻っていったと思います。
ただ、この記憶は夢のようにぼやがかかり、ハッキリしません。
そして、その独り言は、
「いいません、いいません、いいません・・・」
だったような気がします。
あれは、なんだったんでしょう??
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