毛糸の帽子

小学４年のころ、同じクラスに病気か体質かで髪の毛が全部抜けちゃってていつも毛糸の帽子をかぶってる女の子がいた。

夏場でも毛糸の帽子なのでどうしても悪目立ちして、学校中で

「なんで帽子被ってるんだろうね～（ﾆﾔﾆﾔ」

みたいな事を聞こえるように言われたりしてて…

同じクラスの子らも、なんとなく腫れ物に触るような感じで、適当に話はするけどあんまり仲良くするでもなくて。

（病院通いで休むことも多かったし。）

ある時その子と話をしてたら、当時自分がハマッて観てたアニメを彼女も観ててしかもかなり好きだという事が発覚。

その話で随分盛り上がって、それからその子とよく話す様になった。

「こんなによく笑ってたくさん話す子だったんだ」

と驚いたのを今でも覚えてる。

しばらくして、もらったばかりのお小遣いはたいて、そのアニメの絵本を買った。

それには主題歌のソノシートが付いてて

「うちで聴こうよ」

って誘ってうちに招待した。

ソノシート聴いて、お菓子たべて、アニメの話・学校の話で盛り上がってたら３歳下の妹が学校から帰ってきた。

遊びにきてる彼女を見るなり、妹が

「あ、あの子だ（ﾆﾔﾆﾔ」

みたいな顔をしたんで

「友達遊びに来てんだからあっち行け」

って追い払った。

そしたら何を思ったか、彼女のところへダッシュして、帽子をがばっと取って放り投げて、

「ハゲがうつるから出てけ、ハ～ゲ！」

って言って笑いながら出てった。

彼女はボロボロ泣いて、帽子を掴んで帰ってしまった。

私は妹の行動にビックリしたのと、初めて帽子を取ったところを見てしまったショックと彼女への申し訳なさと、頭の中がパニクッて動けなくて、彼女が帰ったあとにひとりで泣いた。

それ以降、その子は目も合わせてくれなかった。

その時の状況を思い出すと、いまでも色んな気持ちが入り混じって涙がでる。

長文＆文才ないので解り辛くてスマソ