頑固でいつも眉を吊り上げてる昭和一桁生まれの父。
当時うちには雑種犬が2匹いて、父は特に可愛がってるでもなく、
犬も子供と同じように厳しくとかって言ってよくぶん殴ってた。
その犬が11歳で死んだ。
フィラリアで、最期は家族みんなで介護した。
母と私達姉妹はわぁわぁ泣いたが、父はいつものように眉をつり上げて黙っていた。
その夜、夕食の席で、いつもはあぐらをかいている父が正座している。
やがて少し上を見上げて
「実に…実に残念だなぁ…」
って言った途端、涙をボロボロこぼした。
手を膝において眉をつり上げたまま。
あんなに悲しんでる人を見たのは初めてだと、今でも思ってる。
鬼瓦みたいな顔して心の中に優しい気持ちを隠してたお父さん、私はずっと好きだからね。
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