自転車で信号待ちをしていたときのこと。
隣に同じく自転車の女性がいて、喧嘩腰っぽい口調で声高に話をしていた。
「電話かな、なんかエキサイトしてるなぁ」
と思いながらも、声が大きいので聞こえるともなしに「話」が聞こえてくる。
しかし何か妙だ。
目玉が引きつるぎりぎりの横目でその人を見ると、
両手はしっかりとハンドルを持っていて、ハンズフリーのようでもない。
真正面を向いて、口だけが動いていた。
「話」とは、
「世の中は堕落しきっているのよ!」
「最後の審判の日は近いんだってば!」
「神に皆裁かれるのよ!」
大きすぎる独り言でした。
信号が青になった瞬間、全速力で私は逃げました。
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