遅い時間まで仕事が長引き、自宅近くの某駅を降りたのはすでに夜の12時をまわっていました。
田舎の無人駅なので、一緒に降りる人もほとんどいず、しばらく家へ向かって歩くと、私一人だけになりました。
ふと人の気配を感じて、後ろをふり向くと浮浪者のような人が、なにか歌のようなものを歌いながら、ピョンピョンとジャンプして、こちらに近づいてくるのが見えました。
少し怖くなったので、小走りし、また後ろを振り返るとその人は居なくなっていました。
どこかに行ったのかな、と思い、安心して歩速を緩めるとまた後ろで人の気配と、妙な歌声が聞こえてきました。
振り返るとさっきの浮浪者がまた、ピョンピョンジャンプをしながら私に近づいてくるのが見えました。
もう怖くなって、走って逃げようとしたその瞬間、浮浪者がフッっと消えました。
驚いて立ち止まっていると、次の瞬間、私の目の前にフッっと浮浪者が現れました。
そしてニヤニヤ笑いながら、妙な歌を歌いピョンピョンジャンプしていました。
その日、私がどうやって家に帰れたか良く記憶がありません。
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