俺も兄も地元を離れて東京に住んでいる。
両親はおかげさまで田舎で健在。
5年前、俺が車で事故って病院に担ぎ込まれて両親が田舎から飛んできた。
退院するときに両親が再度上京し、いい機会だからと家族4人で集まってご飯でも、ということになった。
酒好き一家なので自動的に居酒屋へ。
ホッケつまみつつ4人で晩ご飯なんて久しぶりねぇと喜ぶ母。
4人とも少しいい気分になるくらいのほろ酔いで、2軒目はその居酒屋のそばの少しガヤガヤしたバーへ。
兄は俺に比べればいろいろやりたい放題やっていた。
浪人した末、入った専門学校を10日でやめ、職を転々としたり…。
27歳になる今も半年後には何をしてるんだか…って感じ。
両親の目には
「俺は良い子、お兄ちゃんはねぇ…」
という風に写っていたと思う。
兄がマティーニ7連発で泥酔して変なギアに入った。
涙を流しながら
「今まで本当にありがとう。こんな俺でもちゃんと暖かく見守ってくれる親父、母さんがいて、だから俺は、今なんとかこうして、いくらかはまともに生きてられるんだよ。いつも言おう言おうと思ってたけど、でもずっと言えなくてさ…」
そこからは兄・父・母号泣。
バーでw
つられて俺も泣いてやんのw
今でも俺一人で帰省したときには、笑い話でいつもあの夜の話が出る。
ひとしきり笑ってから
「兄貴の目の前でその話出さないでおいてやれよ!」
ってことで落ち着く。
俺の数倍両親の心配の種なんだろうけど、怒るとハンパじゃなく恐い父に真っ向から歯向かえるのは兄だけで、おれはいつもそんな兄に憧れていた。
まともな道を歩いているのは、強いて言えば俺のほうだけど、
あのときくらいに親を泣かせられるのは出来の悪い兄の方なんだなと少し羨ましかったり。
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