まるで昼寝でもしているようにしか見えなかった。
でも、血の気の失せた弟の顔は、朝見た時とは明らかに違っていた。
先天性の心臓疾患だった。
弟は生まれてきてから半年も経っていない、あまりに早すぎる別れだった。
体を覆うようなたくさんの花に囲まれた弟の胸元に、僕は二つの紙飛行機を置いてやった。
一つには僕の名前を、もう一つには弟の名前を書いた。
死ぬということがどういうことなのかいまいち理解できなかった僕にも、それが永遠の別れであることはなぜか本能的に分かった。
でも、僕達は、遠く離れていても兄弟だから。
二度と会えなくても、この世で二人の兄弟だから。
僕は、その飛行機に幼い願いを込めた。
僕達の絆が離れませんように。
弟と同じ遺伝子を継いでいる僕に心臓病の疑いがかけられたのは、いつのことだったろうか。
弟との絆は、あまりに色濃く僕の体に焼き付いていた。
いつの日か、僕も、もしかすると弟と同じようにして二度と覚めない眠りについてしまうのかも知れない。
幼い日の願いはあまりに残酷に、僕の人生を蝕んでいる。
でも。
僕はもう一人の自分の死を幼い頃に見ている分、死に対して落ち着いた考えを持てたような気がする。
決して怖くはない。
一度しかない人生、どこまで行くことができるかは分からないけれど。
僕は精一杯、生きようと思う。
生きて生きて生き抜いて、いつの日か眠りについたなら、紙飛行機に乗って、弟に会いに行こう。
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