小学生の時の話。
うちは共働きでよく俺はおじいちゃんに預けられていた。
そんな時、たまにおじいちゃんは俺をゲーセンに連れていってくれたのさ。
コインゲームで11クレ100円の時代。
おじいちゃんは俺に100円玉をくれるんだけど、ガキだから下手ですぐ終わっちゃう。
もう100円、もう100円という内に、いつもおじいちゃんの小さな財布を空にしてしまった。
そんなに無駄遣いしたって事がばれたとき、いつもおじいちゃんは俺の親父(つまり息子)に凄く怒られた。
大柄な親父とやせたおじいちゃん。
おじいちゃんはずっとへこへこ謝っていた。
それでもおじいちゃんは俺をゲーセンに連れて行ってくれた。
そしてまた怒られる、その繰り返し。
何故こんな事を今日まで忘れていたんだろう。
ごめんねおじいちゃん。
おじいちゃんが死んだ時、何もしてあげられなかった。
そばで手を握っていることもできなかった。
俺は感謝の言葉たった一つさえ、最期に伝えられなかった。
ごめんね。本当に大好きだよ。心からそう思う。
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