『嫌な物見たぜ…』
そう言いながら事故に遭い2ヶ月近く入院していた友達が退院後に話してくれた。
彼は毎日夜中に健康のためにジョギングをしていたのだがある日後ろから来た車に轢かれ重傷を負った。
その時彼を轢いた車は彼を助けることも無く逃げ去った。
時間は夜中の1時過ぎ片田舎の街道には通り過ぎる車も人も無く彼は独り道端に倒れ込んだまま動けずにいた。
あまりの激痛に声も出せず意識も朦朧としかけた時目の前の路上に女性の足が見えた。
彼は『助かった…』と思い出せる限りの声でその女性に『救急車を呼んでください!』と叫んだそうです。
しかし女性は返事をすることはおろか彼の目の前に腰を降ろし顔を覗き込みながら『私と一緒に行くんだよ…』ヘラヘラと笑っていたそうです。
その顔は確実に生きてる人間のそれでは無かったと…。
彼はあまりの恐怖におそらく失神したらしく気付けば救急車の中だったと言います。
そのまま入院となり何日か経過し彼は『あの女はもしかして夢だったのかも知れない』と考えていました。
しかし入院中にたった一度だけあの女を見てしまったそうです。
それは身体の具合もだいぶ良くなった頃夜中にトイレに行きたくなりベッドから身を起こそうとした時ベッドを囲むカーテンの向こうに人の気配を感じ彼は『あぁ看護師さんの深夜の見回りか…』と思ったそうです。
しかし起こそうとした体が全く動かず金縛り状態頭の中に忘れかけていた女の顔が浮かび恐怖のあまり目をギュッと瞑り気配が消えるのを待っていました。
するとカーテンがサッと開く音が聞こえひんやりとした空気と共に耳元で『ここに居たのか…』と女の声で囁かれ思わず目を開けると事故現場で見た女の顔が目の前にあったそうです。
彼は振り絞る声で『俺はテメーと一緒になんか行かねえよ!』と言うと女の気配は消えていったそうです。
それからは女の霊が現れることもなく無事に退院出来ました。
彼が轢かれた場所で以前女性の轢き逃げ事件があったのは言うまでもない事実です。
『ホタカ(年齢100歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
こ こ こわいじゃないか
こわい