2,3年前の話。
俺は仰向きで寝ると怖い夢を見ることが多いんだが、その夜も気がついたら仰向けになっていた。
嫌な感じがした途端に金縛りになり、遠くから女の笑い声が聞こえてきた。
まあ、そういう夢はよくみてたんで「まただなー」くらいに考えていたら、足元にぽんぽんと何かが当たる感覚がする。
目だけ動かしてそちらを見てみると、白い服を着た女の人が赤い鞠のようなものをつきながら笑っていた。
夢だと思いながらもかなりの恐怖だったんだが、その女の様子が何かおかしいので勇気を出してよく見てみた。
すると、首から上だけがぐるぐると凄い勢いで回っていて、声は笑っているんだがチラチラと見える顔は怒りの形相でこちらを睨んでいた。
恐怖が限界まで達したので俺は体に力を入れ、何とか目覚めることに成功。
すぐ眠るとまた恐ろしい夢を見そうだったし尿意もあったので、起き上がってトイレに行った。
トイレには鏡があり、まだ夢で感じた恐怖が残っていたので、俺は歌を歌うことにした。
すると、自分の口から聞いたこともない声が出てきた。
一瞬驚いて黙ったのだが、もう一度歌うとまた同じ声。
若い女の声だった。
その日はそのまま声を出すこともなく眠ったのだが、一体あれはなんだったんだろうと思う。
寝ぼけていたとかではなく、ヘリウムを吸っていたわけでもない。
また、俺の声はバリトンだ。
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