実父は、私が2歳の時にくも膜下出血で他界。
それから4年後、母は現在の父と再婚しました。
まもなく母は妊娠しましたが、母方の祖母が「いま子供が生まれたら、あの子(私;当時7歳)に愛情が行かんようになる。かわいそうや」と母を説得し、結局母は赤ちゃんを中絶しました。
父にしてみれば、生まれて初めてできた子供をおろさなければならずとても悔しい思いをしたにちがいありません。
(初めてこの話を聞いた時は、ショックと申し訳なさで一杯になりました)
ですが、当時もちろん何も知らない私は短気な父のことを「こわい人」と、内心嫌っていました。
私が10歳、11歳の頃に続けて母は妹と弟を出産。
その頃から、父は少しづつ変わってきました。
母と価値観が違う私は反抗期のせいもあり、真っ向から対立。
家の中で孤立する私を優しく、時に厳しく諭してくれたのは父でした。
不思議と、母よりも父の方が私の寂しさをよくわかっているようでした。
結婚式の日には、生まれて初めて父の目に涙を見ました。
血の繋がらない私を、実の子供と同じように扱い育ててくれた父に、そして父と私の間に立ち、自ら悪役?を買って出て、互いが憎みあったりすることのないよう心を砕いてくれた母には、どんなに感謝してもしきれません。
今は離れた地にいますが、たまに母と電話すると「パパは一日おきに『○○(私)はどうしてるんや、電話かけたか』ってうるさいのよー。自分でかければいいのにね」と聞かされ、じわっとくるものをこらえるのにちょっと苦労します。
もう戻ることはないけれど、5人で過ごした実家でのあのにぎやかな日々は、私の人生の宝物です。
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