再び奴が現れた。
そう、G。
ホウサン団子に目もくれず生きながらえていたGは、ビッグなサイズから言ってあいつで間違いない。
晩飯を作ろうと台所に立っていた俺の目の前に現れ・・硬直する俺をあざ笑うように目の前を行ったり来たり。
立ち去る気配のない奴に、切り分けた大根を避難させるので精一杯な許に、虫好きの兄参上。
が、さすがに油ギッシュな奴を素手で掴む気にはなれず・・紙コップによって捕獲。
硬いチラシを蓋にし、二度と目の届かぬ遠方にリリースされると安堵し、さっそく調理に取りかかった直後ー兄帰宅。
俺「あれ? 早くない?」
兄「ああ。十字路のとこで逃がして来たから」
な・・なんだとーーー!?
十字路て・・20mも離れてないじゃん!!
帰巣本能で即ご帰宅できる距離ではないかっ!!!
瞬間、ブルーになるも・・居ないは居ないでなぜか物寂しさが・・。
猫が食器棚の角で出待ちしていた所から、居るんだろうなとは思っていたが・・・まさかこんな感情を抱くなんて・・。
・・慣れとは 恐ろしい。
三度相見え、捕獲が成功した暁には・・自転車で遙か彼方まで連れ駆けて さよならを告げよう。
そう内心で誓いつつ、俺は大根と豚挽き肉の甘辛炒めを頂いた。
『カムル(年齢26歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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