今は看護師さんって言いますが、当時は看護婦さんと呼んでいましたので、文中の表現は看護婦さんと書いてますが、ご了承下さい。
もう二十年以上前の話しですが、私が高校三年生の頃、祖母が癌で入院しました。
手術をしましたが、手の施しようがなく、すぐに手術が終わって‥。
後は、余命をいかに延ばすか、って時に新人の看護婦さんが担当の一人に加わりました。
毎日、明るい祖母と楽しそうに会話してて。
当時の私は少し悪ぶって、タバコを吸ったりバイクを乗り回したりしてましたが、祖母のお見舞いには毎日のように行ってました。
祖母が大好きだったので、遊びに行く前に、とりあえず祖母の病室に寄ってから、って感じでした。
癌はゆっくり進行して、最期の時が来て‥
夜中に電話で呼び出されて駆け付けると、もう動かない、でも、辛うじて心臓が動いてるだけの祖母が横たわっていて。
やがて、「〇時〇分御臨終です‥」
と医師に伝えられ、母やおばさんなど、その場に居た縁者皆が泣いてる中、新人看護婦さんも、一緒に泣いていました。
ベテラン看護婦さんが新人さんの腕を掴んで外に引きずり出しました。
私自身、少し冷静になろうとタバコを吸いに外に出ると、号泣する新人さんと叱責するベテラン看護婦さんが居ました。
「貴女以上にご家族の皆さんはつらいの!貴女が泣いててどうするの!ご家族の皆さんに涙は見せちゃいけないのよ!」
そう言う彼女の横を通り過ぎる時、何気なく見たベテラン看護婦さんは泣きながら話してました。
人の死といつも向き合ってるから慣れてて、淡々としてるのかと思ったら全然そんな訳ではなく、家族の前では泣かないで自分のやるべき事を事務的に熟し、陰で家族と同じように悲しんでくれてるんだな、っていうのを知って、家族の前では我慢したけど廊下に崩れ落ちて号泣しました。
看護師さんって命の現場に居て、普通の人より死と向き合う機会が多いですが、そのたびに悲しみ、それを乗り越えてるんですね。
そんな強さを持って仕事してらっしゃる看護師さんを心から尊敬します。
『まあ(年齢38歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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