母方の実家は宮城県にある1度火災にあい建て替えはしたものの、約300年近くの歴史を誇る檀家さんも多い浄土宗という宗派の寺である、
和尚をしていた叔父は俺が生まれて直ぐに他界、寺は今も祖母が一人で切り盛りしている、
夏休みにもなると家族で帰省し家自体に家族4人が寝る部屋が無い為、寺の本堂に寝るのが決まっての形であった、中学に上がる頃迄は怖くてタオルケットを足の先から頭まですっぽりかぶって寝ていた、
人一倍怖がりな俺も大人になり母方の家が寺という事実からか怖い話、霊感などは全く信じれず鼻で笑って聞ける程だ、
職場では一応店長であるが貧乏暇なし…、
仕事内容にはとても見合わない給料で朝は8時から仕込みを開始し、夜はアルバイトがまかないを食べ終わる11時過ぎ迄、週5で働き詰めている、
その日は店のイベントと絡む祝日という事もあり最後のバイトにお疲れ様を言ったのが深夜1時近くになってしまい、事務所にこもり売上金の勘定をしていた、
後は日報を記入し、パソコンと店舗内の電源を落とし鍵を閉めれば業務終了、と、思ったその時だった…、
事務所から扉を隔てた店舗から
「んねぇ~~、」
背筋が凍るという体験を生まれて初めてしたのだ…、続けて
「んねぇ~~~、」
確かに聞こえる老女の人を呼ぶ声、
とにかく怖すぎた、店舗の出入口付近からしていたその声は事務所の扉に段々と近付く
「んねぇ~~~~」
恐怖のあまり俺は勇気を振り絞り事務所の扉のノブに手を当て、生唾を飲み、思いっ切り扉を開けたが目を開けられず全力で叫んだ、
「何だよ!!!!!!」
恐る恐る目を開けると目の前にうちの店で使用している寿司の宅配用の桶を持ち俺の声で尻餅をついて失神しかけるお客様がそこにいた…、
見解はこうだ、深夜仕事から帰宅した近所の歳老いたお客様の一人息子さんが店の明かりに気付きその話を聞き深夜にも関わらずわざわざ寿司桶を返しに来てくれたのだった…、
肩を抱え何度も誤り入口で何度も頭を下げたがそれからそのお宅からの注文は無い
『4度目投稿店長(年齢29歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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