俺の住んでる小さなアパートはほとんどが社会人で、学生なのは俺と俺の真上の部屋の住人のみ。
彼とは学部が違うこともあって大学内での接点はないけど時々部屋に来て軽く遊んだりすることもある。
で、まぁ、その彼の部屋、なぜかいつも電気がつけっぱなしなのな。
俺がどんなに遅く帰っても、彼の部屋の窓を見ると電気がついてる
ネットで徹夜して、明け方に煙草を買いに出ても窓を見上げると電気がついてる。
そんなある日、彼と俺の部屋でまた話す機会がありまして「いつも夜遅くまで起きてなくない?」って聞いたわけですよ。
そしたら「んー…」とかなんか言いにくそうな返事をするんで、
「ひょっとして電気つけてないと寝れないとか( ´,_ゝ`)プ」
「うん、出るからね( ´_ゝ`)」
「( ゚д゚)」
俺は幽霊懐疑派なので、怖い以上に興味があって彼の部屋に行き色々聞いてみたんです。
話によるとエアコンの下ら辺に肌の白いブサイコな男が立つとの事。
俺は密教の本片手に、男が出るというあたりに向かって適当に真言を読み、なんちゃって早九字を切り、塩を撒き、賃貸契約書を引っ張り出して諭し、
彼に「いいか、危なくなったら『斬るなら俺を斬れ!俺の命で済むなら安い物っ!!』と叫ぶんだ。そうすれば光の騎士がお前を助けてくれる。」と究極の呪文を教えてその日はお開きとなりました。
ええ、お酒をのんでいたこともあって我ながら悪ノリだったと反省しております。
で、それが8月お盆前の事、その後俺はすぐに実家に帰ったんで何があったのかは知らないんですが、学校が始まって帰ってきてみるとどうも、彼の部屋が空家になってるらしいぞ、と。
原チャもなくなってるし。大家さんに聞けば何があったか分かるんだろうけどまぁ知らなくてもいいような気がするんで聞いてません。
それ以来、上の部屋はいつ見ても真っ暗な訳でそれを見上げていると怖いような悲しいような気持ちで鳥肌が立ちます。
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