小学生の頃、よくケーキをつくってくれた母。
スポンジに生クリームとイチゴっていう、ありふれたものだったけど、僕と弟はそのケーキが世界で一番好きだった。
母がつくってる最中、生クリームを泡立てるの手伝ってはごほうびに泡だて器に残ったクリームをぺろぺろなめつくしたり、銀色のつぶつぶしたトッピング(?)を食べ尽くしては叱られたり、永遠に続くと思っていた平和なひととき。
でも両親は離婚してしまって、もう二度とそんな日はもどってこない。
母はいないのに、母が居た台所や使っていたモノだけが残ってて、それが余計悲しくて、小さかった僕は、ぺろぺろした泡だて器やらお皿やら全部捨てた。
もっと小さかった弟は、母の思い出がなくなってすごく泣いて怒ったけど、僕がその後なれっこないけど母親がわりになろうと頑張った気持ちをわかってくれたのか、許してくれた。
今はもう大きくなって母ともたまに電話したりするけど、正直、どんな言葉をかけてくれたり、たまに食べ物送ってくれたりするよりも、あの頃のケーキをもう一回いっしょに食べたいよ。
長文すみません。
コメントを残す