10年くらい前、中学に入学したての頃に実際にあった話です。
友人Yと友人K(2人とも男)は、日々の学校生活の大半をカンチョー戦争に捧げていた。
まだ入学したてで部活もなく、小学生っぽさも抜けていなかったのだろう。彼らは休み時間や登下校時など、暇さえあれば常に戦いを繰り広げていた。
「お互い気を抜いたら最後、カンチョーを決められてしまう。殺るか殺られるかだ。だが、その緊張感が何とも言えないのだ。」と、当時Yは語っていた。また、自宅以外は戦場だとも。
彼らがそんなカンチョー戦争に明け暮れていたある日、事件は掃除の時間に起きた。
掃除の時間はみんな学校指定のジャージに着替えているのだが、そもそもそれが不幸の発端だったのかもしれない。
Yはいつものように、Kの奇襲に警戒しながらも掃除をしていた。
だがそこで、彼は衝撃の瞬間を目の当たりにする。
なんとKが階段の上段から階下に向けて、一段ずつ雑巾掛けをしているではないか!
しかも自分は階下にいて、Kには気付かれていない。
またとないチャンスに恵まれたYは、手にしていたホウキの柄の部分を武器にKのケツ目掛けて突入した。
「もらったー!!!オレの勝ちだー!!!」
しかしYがケツに突撃した瞬間、普段のKとは違う感触と叫び声が。
そして悶絶してるその人を見ると……いや、これはKじゃない!なんてこった!
Yはそこでようやく、違う人(しかも女子)にカンチョーした事に気付いた。
唖然とする周囲とY…。
カンチョーをされた女子はしばらく悶絶した後、ゆっくりと起き上がりYと向き合った。
するとYの持っていたホウキを奪いとり、その柄でYの腹部を目掛けて突きを繰り出した。
あれはまるで、新撰組三番隊組長 斎藤一の「牙突・零式」を見ているようだった。
あまりに急な展開とその突きのスピードについていけなかったYは、モロに突きを食らって3段ほど下の踊り場に倒れ込んだ。
尋常ではない衝撃と痛みに言葉も出ないYに向かって、その女子が一言。
「私の勝ちね。」
これが後に伝説として語られるようになった、カンチョー事変である。
ちなみに、Yはこれに懲りてカンチョーを卒業したが、Kの方は中学3年までスキンシップとして今度は男子なら誰彼構わずカンチョーをしていた。
長文失礼しました。そして最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
バント職人さん(男性)よりの投稿です。
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